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ガチムチ事変④

 次々に証拠が集まる。俺の噂を拡散したのは予想通り片丘 亜衣だった。調査する内に1つの事実が発覚。亜衣と田山人事部長との不倫だった。そんなある日精肉売り場が騒然となっている。慌てて俺は精肉売り場迄行った。亜衣と木嶋さんが言い争っている。木嶋さんは妙齢の女性で常連客。ある日A5ランクのステーキ用の牛肉を籠に入れてた。
「いらっしゃいませ。今夜はステーキですか?」
俺が問う。木嶋さんは最初訝しげな表情を浮かべてた。俺は満面の笑みを浮かべる。木嶋さんの表情から強張りがきえた。
「主人がアメリカから帰国するので……」
「それならステーキよりもすき焼きかしゃぶしゃぶの方が良いかも知れません。アメリカだとステーキ結構食べてるかもですから……すき焼きならしらたきと焼き豆腐も安くなってますしね。無礼な事言ってすみません」
木嶋さんの言葉に俺が応える。木嶋さんが柔和な笑みを送ってくれた。
「そうですね。そうかも知れませんね」
木嶋さんが声にする。今では木嶋さんは俺を慕ってくれるお客様の1人だ。今日のクレームは黒豚ロース。明らかに変色している。匂いを嗅ぐと異臭がした。
「さっき買ったんだけど交換してくれと言ったら火を通せば大丈夫ってこの人に言われたわ。だから食べて貰おうと思って1枚焼いてきたの」
「そんな事言ってない。それにそんなのたべたらお腹壊しちゃうでしょ」
木嶋さんの言葉に亜衣が応える。亜衣は太々しい表情を浮かべていた。
「大変失礼致しました。交換でもご返金でも致します。ここではなんですので奥で話しましようか」
俺が声にする。俺達はバックヤードに入った。木嶋さんに椅子に掛けて貰う。俺は土下座した。
「この度は弊社社員がご迷惑掛けて申し訳ございませんでした」
俺が声にする。床に額を付けた。
「頭を上げてください。店長が悪い訳ではないですから……あの人の態度がイラつくので……それに反省の色が見えませんね」
木嶋さんが声を上げる。俺は立ち上がった。防犯カメラを確認する。そこからは販売員として言ってはいけない言葉と表情が確認された。
「片丘さん選択肢は2つだ。土下座するか。この肉食うかだ」
俺が声を上げる。片丘 亜衣は黙った。
「店長、もういいわ。交換に付き添ってくださる。この前教わった黒豚ゴマソテーにしようと思うから……」
「分かりました」
木嶋さんの声に俺が応える。俺達はバックヤードを後にした。選んだ新たな黒豚ロース。木嶋さんはにこやかな表情を浮かべながら帰路に就いた。時刻は午後10時半を回っている。スタッフ達は皆退勤して店内には俺1人だ。今回の騒動はマニュアルでは本部に報告が必須。俺は深慮する。田山人事部長に潰されるだろうと……俺の悪い予感は的中した。人事部から通告を見る。俺は監督不行き届きの為社員に降格、新店長には松橋副店長、何と片丘 亜衣は主任に昇格する。俺は憤りを感じた。俺は経緯を兄貴にLineする。何時ものカフェで兄貴と待ち合わせた。今、テーブルを挟み向かい合って座っている。兄貴が珈琲を口に付けた。
「選択肢は2つある。実はお前ん所の社長とこの前、犬友になったんだ。社内調査して貰う。人事部長の不倫を暴露する。弓弦の名誉回復も出来ると思う。もう1つはもう1回夢を目指す事だ。今来てる話だとお祭り雑誌の読モ、それに次俺の作品が映画化になったら主役クラスで出演して貰う。直接レッスンしてくれる監督もいる。空いてる時間は俺の秘書だ。スケジュール管理と家事、レオンのお世話だな」
「俺は夢を目指したい」
兄貴の提案に俺は即答する。俺は退職届を人事部に提出した。今、溜まってる有給を消化している。合わせて亜衣への復讐の準備に取り掛かった。みんなの力を借りながら……そんなある晩兄貴から音声ファイル付きのLineが届く。メッセには証拠のひと1つにしてくれと書いてある。俺ははファイルを開いた。音源はバックヤードでのやり取りが録音されている。流れてくる前店長と亜衣そして兄貴の声。そこからは兄貴が万引きしてない事が伺える。前店長は謝罪してたが亜衣はしてない。俺は呆れた。もう直ぐレオンの誕生日。駅前のレンタルカフェで焼肉の主張シェフを招いて行う。併せて俺と肇達の就職祝いも行われる。俺達はその日をX-DAYと決めた。季節は晩冬。街のあちこちで春の息吹を感づる。
春の芽吹き (33)
X-DAYを迎えた。メインスタッフはお揃いのレオン柄のTシャツを着てる。レオンには王冠を被せた。招待客は兄貴が所属する愛犬倶楽部の人達が多い。その人達は兄貴の職業も知ってると言う。木嶋さんを始め俺を慕ってくれるお客様も呼んだ。 受付は肇と彩音。会費を頂く。記念品のレオン柄のマグカップを渡してた。お客様、シェフが集まる。最後に片丘夫妻がやってきた。
「先生、本日はお招き頂きありがとうございました」
片丘さんの旦那さんが声にする。片丘 亜衣は固まっていた。亜衣に向かってレオンが吠える。他のワンコ達も威嚇し始めた。場が騒然となる。飼い主達が犬達を宥めてた。レオンは吠え癖は改善されている。俺は思う。亜衣から悪党の匂いがしたのだろうと……シェフが肉を焼き始める。食指が動く。俺達はビールを注ぎ合った。
「Happy Birthday レオン」
兄貴が声を上げる。グラスがカチンカチンと触れ合った。ワンコ用の肉が焼き上がる。犬達は笑顔を浮かべながら食っていた。前菜、タン塩、上炙りすきカルビ、黒毛和牛。次々と料理が運ばれてくる。ワンコ達に犬用ケーキが振る舞われた。俺達にもケーキが取り分けられる。俺達は堪能した。兄貴が愛犬倶楽部の人達に耳打ちしてる。一部の愛犬倶楽部の人達がお土産の犬のおもちゃとおやつを貰い家路に就いた。
「肇と彩音は就職が決まっています。その為、今月でW.H.SHOPを辞めます。そして俺も退職届を提出しました」
俺が声を上げる。俺を慕ってくれた常連さん達が騒ついた。
「俺は多分嵌められました。ご覧ください」
俺が言い切る。スクリーンに証拠が映し出された。片丘 亜衣の旦那の宏暁さんと田山人事部長の奥さんには既に浮気の事実を伝えている。片丘 宏暁32歳のゴリmacho。編集者として兄貴を担当している。亜衣の表情は微動だにしない。宏暁さんが土下座した。
「亜衣お前部長の奥様と伊丹さんに土下座で謝れ」
「私は悪くない。輝龍院さんと伊丹さんがムカつく。大きな家に住んで犬まで飼ってさ。自称伊丹さんのファンだと言うのは腹に据えかねた。だから悪いのは輝龍院」
宏暁さんの声に亜衣が応える。亜衣が立ち上がった。兄貴に歩み寄る。レオンを抱いてる兄貴にパンチを飛ばし、頬にヒットした。
「てめぇ先生に何するんだ」
彩音が声を上げる。亜衣にラリアットからのスコーピオン・デスロックを掛けた。北田弁護士と俺が止めにかかる。亜衣は涙目になっていた。
「私達は伊丹店長が好きだよ。今もさ。社長これはどう見ても不当人事だよね」
木嶋さんが声を上げる。田山人事部長は俯いていた。
「今度の役員会の議題に上げる。田山人事部長と片丘 亜衣は厳罰がくだると思う。伊丹君さえ良ければ復職も考えるよ」
「俺はもう一度俳優を目指すよ。Kenta先生の秘書しながらね。お祭り雑誌のモデルのオーディションも受かったんだ」
社長の言葉に俺が応える。修羅場は一応終わった。兄貴とレオンがみんなを見送ってくれる。俺達は帰路に就いた。
「最後のチャンスだな。先生の好意に報いる為にも頑張れよ」
「うん」
親父の声に俺が応える。夜風が肌に心地良く触れてきた。時が流れる。結局田山人事部長と片丘 亜衣は懲戒解雇になった。田山夫妻と片丘夫妻は離婚。親権は田山の奥様と宏暁さんがとった。明日から正式に俺は兄貴の秘書になる。最終的な打ち合わせも終わった。今、リビングでレオンと遊んでいる。これから宏暁さんが謝罪に来ると言う。チャイムが鳴る。俺は立ち上がった。モニターを見ると宏暁さんが菓子折を持って立っている。ドアを開けた。
「伊丹さん、この度は亜衣が色々迷惑かけて済みませんでした」
「もうイイっすよ。俺さ、新しい道に踏み出せたしね」
宏暁さんの声に俺が応える。俺はリビングに通した。遊び疲れたレオンがクッションで寝落ちしている。兄貴が横抱きにして階段を登った。
「どうぞ座ってください」
俺が声にする。宏暁さんはソファーに掛けた。俺は宏暁さんの隣に座る。冷たい烏龍茶を渡した。
「女はコリゴリだせ。怖ぇよ」
「同感っす」
宏暁さんの声に俺が応える。兄貴が2階から降りてきた。兄貴が宏暁さんの横に座る。烏龍茶を飲みながら頂いたスイーツを頬張った。
「美味ぇな」
兄貴が声にする。宏暁さんが兄貴を見た。
「先生と弓弦君は付き合ってるんだろ」
「うん、ちょっと聞こえたけど女、嫌になったんだろ。俺達と試して見るか?」
兄貴が問う。宏暁さんが頷く。兄貴が目配せしてきた。
「風呂入ってきたのか」
兄貴が声を上げる。宏暁さんが首を横に振った。
「じゃぁ風呂浸かろうぜ」
兄貴が声にする。俺達は立ち上がった。浴室に歩いていく。脱衣所で着ている物を脱いだ。宏暁さんのガタイは兄貴程ではないが強靭な筋肉のゴリmacho。掛け湯をする。湯舟に宏暁さんを真ん中にして並んで浸かった。兄貴が宏暁さんを抱き寄せる。唇を奪った。舌を挿れる。2人は舌を絡め合ってた。キスしながら兄貴は宏暁さんの乳首を擦ってる。唇が離れた。
「宏暁、弓弦にもキスして貰えよ」
「うん」
兄貴の声に宏暁さんが応える。唇を合わせ、舌を挿れた。俺達は舌を絡め続ける。唇が離れた。
「先生も弓弦も勃起してるぜ」
「宏暁のもだろ」
宏暁の声に俺が応える。俺と兄貴の勃起魔羅が握られた。気付くと俺達は呼び捨て合ってる。兄貴が宏暁の逸物を握ってた。
「上がるぞ」
兄貴が声にする。俺達は浴槽を出た。
[ 2021/11/19 11:49 ] ガチムチ事変 | TB(-) | CM(0)

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