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筋肉野郎の恋④

 体力増強、ダイエット、そしてプロレス実践。塾生達は其々の目的で通ってくる。そんな塾も4年が経過した。不安をよそに塾は順調に運営されている。スタジオ、リングで塾生達の声が鳴り響く。そんな或る日堀越オーナーが見えた。
「塾長ちょっと来てくれ」
堀越オーナーが声を上げた。
「急で申し訳ないんだが来週の日曜バイト行ってくれないか。急に欠員が出来たらしい。俺はその日法廷があるから行けないんだ。お前パソコンとか得意だもんな。なあ頼むよ」
バイトとはWI-FI設置、調査、パソコンのセットアップ。場所は都心に有る私立雄壕大学だと言う。雄壕大学には雄壕学園が併設されている。堀口オーナーの本業のお客様から頼まれたと聞いた。マニュアルを渡される。全然難しいことでは無かった。堀口オーナーと視線が交差する。明らかに困った表情を浮かべていた。
「飯奢ってやるからさ」
「判りました。やりましょう」
堀口オーナーの言葉に俺は応える。そのバイトを引き受けていた。日曜を迎える。季節は梅雨。雲の合間からは微かに光が射していた。校内の食堂、売店は営業していないと言う。弁当を用意する。俺は大学へと向った。待ち合わせの正門前は人でごった返している。点呼を済ませると控え室に入った。色んな派遣会社から来てると言う。その数おおよそ100人。俺達3つのチームは大学から直接雇用されている。1人の男が駆け寄ってきた。
「あっ一之瀬さんですよね」
「あっハイ」
男の声に俺は応えた。
「山岸です。ご無理言って申し訳なかったです」
「とんでもないです」
この山岸と言う男は大学の職員で今回の責任者と聞いた。俺は言われた席に着く。隣には若い女性が座っていた。センスが悪いファッションをしている。着ている物がバラバラだった。首に吊るされたネームプレートには加藤 奈央と記されている。視線の奥から鋭い光が感じられた。大学4年だと言う。もう就職も内定してると聞いた。打ち合わせが始まる。正面の黒板にはゴミは持ち帰りと書かれていた。
「朝早くからご苦労様です。皆さんパソコンに精通してる方達ばかりですからそれ程難しい作業では無い筈です。それからゴミ箱は閉鎖してますのでゴミは各自持ち帰りでお願いします。では作業に掛かってください」
山岸さんが声を張り上げた。各自持ち場に移動する。俺達は作業に取り掛かった。パソコンが次々とセットアップされていく。作業は順調かと思われた。
「済みません。これどうするんですか」
奈央が声を上げる。俺に視線を飛ばしてきた。
「ここはこうだよ」
俺は務めて優しく声にする。こんなことも判らずにこのバイトを引き受けたのかと思ったけど……
次々と回りの人達に奈央は質問している。同じようなことを何度も繰り返し聞いていた。俺達チームの作業は遅延する。時刻だけがコツコツと流れていった。回りの人達が迷惑そうな表情を浮かべている。だが本人は澄ました顔をしていた。午前中の作業が終わる。昼休憩に入った。俺達は控え室に戻る。各々食事を始めた。喫煙室で一服する。戻ってくると俺の机の上にコンビニ袋に入ったゴミが放置されていた。
「加藤さん、このゴミ誰のか知っている」
「えっ知らないわ。一之瀬さんのじゃないんですか」
俺の声に奈央が応える。その視線は明らかに尖っていた。
「俺は弁当でもう鞄にしまってるからな」
俺がぽつりと声にする。その時山岸さんが駆け寄ってきた。
「どうしたんですか」
「誰かがここにゴミ放置したみたいなんすよ」
山岸さんの声に俺は応える。もうどうでも良かった。俺がこのゴミも処理すれば良いのだから……その時だった。
「誰かこのゴミ放置した人見ませんでしたか」
山岸さんが声を上げる。数人の人達の視線が奈央に集まった。
「山岸さん、もういいっす。俺このゴミ片付けますから」
俺は言い切った。午後の作業が始まる。淡々と時間が過ぎていった。仕事が捗らない俺達のチーム。結局他のチームから応援して貰いどうにか仕事が片付いた。時刻は6時を回っている。駅前に向った。スマホがメール着信を報せる。堀越オーナーからだった。今駅に着いたと言う。俺達は駅前で落ち合った。久しぶりで見るオーナーのスーツ姿。やけに凛々しく見えた。
スーツG (4)
「よぉご苦労さんだったな」
「とんでもないっす」
堀越オーナーの言葉に俺は返した。直ぐ側の和食処の暖簾を潜る。窓際のテーブル席に着いた。頼んだのは和食膳。飯を食いながら今日の事を色々話した。和食処を後にする。俺達は喫茶店に入った。カップルやグループ客で賑わっている。1組のカップルが目に飛び込んできた。後姿は奈央に似ている。向かい側に座る坊主頭の青年。色黒で爽やかな表情を浮かべていた。
「ねえ酷いでしょ。こんな可愛い子にパソコン教えたり、私のゴミ処理するのって光栄なこと事だと思でしょ。ねっ、ムカつくあの親父……」
「……」
奈央の声を青年は黙殺している。俺は堀越オーナーに目配せした。
「じゃまするぜ。ムカつく親父だけどな」
俺は声を上げた。奈央の隣に座る。オーナーは青年の横の席に着いた。
「あのゴミやっぱお前のだったんだな」
「そ、そうよ。こんな可愛い私のゴミ鞄に入れられて嬉しいでしょ」
俺の声に奈央が言い放った。
「ゴミ位処理してやるよ。でもな少し非常識だぜ。パソコンろくに使えないのにあのバイト受けるし、自分の食った物の後片付けも出来ねぇなんてな。情けねぇよな」
奈央がカラダとプルプル震わせていた。両手を硬く握っている。その拳が俺の顔目掛けて飛んできた。俺はひょいと避ける。今度はチョップを喰らわしてきた。それも俺は簡単によける。奈央が鋭い視線を飛ばしてきた。
「加藤 奈央ちゃんって言ったよな。暴行未遂だ。警察呼ぼうか」
「ふん何よ。警察なら目の前に居るしね。海斗こいつをボッコボコにしてやってよ。あんた警察で毎日訓練してるんでしょ」
オーナーの言葉に奈央が応える。視線を海斗と呼ばれる青年に向けていた。
「公安職の俺が一般の人に手を上げられる訳ねぇだろ」
海斗がぽつりと声にする。瞳の奥から寂しそうな光が見えた。
「判った。じゃぁ俺と試合するか。俺はプロレス塾の塾長をしている。そこのリングで方付けようぜ。俺が負けたら今日の事は無かったことにする。もし俺が勝ったら加藤さんには謝って貰うからな」
俺が声を上げる。奈央と海斗の首が縦に振られた。

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[ 2016/12/23 11:25 ] 筋肉野郎の恋 | TB(-) | CM(0)

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