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路線バスの旅①

 オッス。俺は祥貴。髭坊主のリーマン。ガタイはいいと言われている。顔は月並み。残念ながら彼氏はいない。天気予報を見る。週末天気も良さそうだ。季節は初夏。陽射しが心地よい。予ねてから考えていた路線バスの旅に出る事にした。目を凝らしてパンフレットを眺める。色んな観光スポットが載っていた。費用はバスの1日乗車券を利用し僅か620円。だがバスの本数も少ないのも事実。時刻表とパンフレットを交互に眺める。ネットでも検索した。あれこれ考える。俺は綿密な計画を立てた。旅のしおりを作ってみる。何か楽しくなってきた。そして土曜日。青い空、ぽっかり浮ぶ雲。
ぽっかり雲
天気予報通り快晴だ。風が清々しい。ハーフパンツにポロシャツ。念の為に薄手のブルゾンは携帯した。朝8時に家を出る。バスを乗継ぎ隣町の駅に着いた。最初の目的地はツツジが有名なお寺。バスに乗り込んだ。座席は後ろから3つ目。2人掛けの座席に陣取った。出発間際ガチムチ野郎が乗り込んでくる。俺の隣に座った。男を垣間見る。かなりの上玉だ。見た目30歳代前半。短めの頭髪。顎には髭を蓄えている。身長は170㌢前後ってとこか……膝丈のパンツにノースリーブのTシャツ。逞しい脚とぶっとい二の腕を惜しげもなく晒している。男の色香が漂ってきた。俺と同じパンフレットを持っている。思い切って声を掛けてみた。
「もしかして路線バスの旅っすか」
「あっハイ」
にっこりと笑みを浮かべる。日に焼けた肌から白い歯が溢れていた。
「俺もなんすよ。これからツツジ見ようかなと思って……」
「あっ俺と一緒っす。その後はこれから考えるんですけどね。行きあたりばったりなんだけど取あえずツツジは観たかったんすよ」
男はパンフレットを捲り始めた。男の毛深い脛が俺の脚に触れてくる。離そうとしない。それどころかその感触を楽しんでいるかのようにも感じる。誘ってるのかこいつ……一端脚を離した。数秒間を置いてくっ付けてみる。押し返してきた。男に目を遣る。顔が微かに赤らんでいた。間違いない。確信が持てた。
「あ、あの観光コース決めてるんすか」
「一応決めてるぜ」
俺は旅のしおりを見せてやる。男が目を見張っていた。
「凄いっすね。しおりまであるんだ」
車中パンフレットを見ながら話したりする。脚はくっ付いたままだ。
「あ、あの……」
「えっ、何だ」
「良かったら便乗させて貰っていっすか」
「構わねぇよ」
視線がぶつかった。やばい位可愛い笑顔を浮かべている。
「俺は祥貴、宜しくな」
「あっ俺は啓祐。宜しくっす」こうして俺達の二人旅が始まった。日帰りだけどこいつと旅が出来る。心が躍った。バスを降りる。初夏の柔らかな陽射しに包まれた。
「祥貴さん……」
「ん、何だ」
道すがら色々話しかけてくる。背丈が同じ位の俺と啓佑。黒い影が2つ並んでいた。
「祥貴さんって何歳なんすか」
「俺か、36だよ」
「啓佑さんは」
「俺は33歳っす」
「年下なんだな。じゃあ啓佑って呼んでいいよな」
「うん、いぃっすよ」
啓佑の顔が微かに緩んだ。
「いいガタイしてるよな。何かしてるのか」
「ジムっすよ」
「祥貴さんは……」
「俺もジム行ってるぜ」
「やっぱりな。いいガタイしてるもんな」
啓佑が俺の二の腕を握ってきた。啓佑に目を遣る。やはり良い男だ。もしかしたら今夜こいつと出来るかも知れない。いや多分出来る。淫らな事思い浮かべると濡れてきた。山門を入る。夫婦杉と言われる見事な巨木もあり圧巻だった。本堂でお参りする。緩い坂道を昇っていった。色取り取りのツツジの丘が広がっている。真正面には巨大な観音像が立っていた。写真を撮る。鐘を突く。ツツジを満喫した。今食堂で名物の団子を食いながらお茶を飲んでいる。
「綺麗だったな」
「うん」
時計を見る。バスの時間が迫っていた。
「次行くぞ」
「うん」
バス停に向かって歩いて行った。
「ここで弁当買ってくぞ。十彩弁当が人気だってさ」
「凄ぇな。祥貴さんそんな事迄調べてるんだ」
「まあな」
次の目的地は市街地を見渡せる展望台。急勾配の坂を登っていく。その為ジグザグに歩いている人がいる位だ。アチコチで立ち止まっている。
「ふぅ…しんどいぜ」
息が上がってきた。
「祥貴さん大丈夫っすか」
俺の手を引いてくれた。こういうシュチュエーションでは男同士が手を繋いでいても全く違和感がない。啓祐の手の温もりが伝わってくる。歩くこと20分。ようやく着いた。展望台の一番上まで登る。
「祥貴さん凄ぇいい眺めっすよ」
「うん、ホントだな」
目の前には雄大な景色が広がっている。360度の大パノラマ。茶畑が広がっている。遠くには首都圏の高層ビル群も眺めることができた。横には啓祐がいる。首筋にうっすらと男の汗が滲んでいた。啓佑の小指が静かに俺の小指に触れてくる。小指同士が絡み合う。鼓動が高鳴る。景色が目に入らなくなった。
「祥貴さん、腹減った」
「飯にするか」
「うん」
下に降りた。何組かの家族連れ が食事を楽しんでいる。俺達もテーブルを挟み向かい合って座った。弁当を広げる。色取り取りの惣菜が詰まっていた。
「美味いっすね」
「あぁ評判通りだな」
優しい味の数々の料理。
美味い空気。木々の間からは木洩れ陽が射し込んでくる。穏やかな光に包まれた。さっき知り合ったばかりの啓佑。今向かい合って飯を食ってる。旅は始まったばかりだ。啓佑に目を遣る。にっこりと笑顔をくれた。
「さてと……次行くぞ」
「うん」
向ったのは市街地。此処は昭和レトロを感ずる街だ。復古調な店構えの蕎麦屋。木製の看板に右から店名を書かれてた。
「何かいい感じっすね」
啓佑の目尻が細くなっている。
「うん、タイムスリップしたみてぇだな」
至る所にある昔の映画看板、風情を感じる街灯。小さな博物館に入った。古きよき日の日本。大きな感動に包まれた。
「凄ぇ」
啓佑の瞳が輝いている。ブラウン管テレビ、丸いポスト、レトロな自転車。館内は昭和の匂いを漂わせていた。2階に昇る階段が有る。雪女の部屋らしい。
「行ってみるか」
「うん」
狭くて急な階段を昇り始めた。俺の後ろに付いて啓佑が昇ってくる。太腿を撫でられた。カラダが微動する。今度は股間を摩られた。
「け、啓佑……」
俺のちっちゃい声。2階に行くと雪女に関わるものが展示されていた。屏風、書籍、人形。中年の女性が目を凝らしている。程なくすると階段を降りていった。
「祥貴さん……」
「えっ」
いきなり唇を奪われる。
接吻 (1)
股間に手が這ってきた。誰かが階段を昇ってくる。唇が放たれた。
「バカやろ。気持ちいい事するんじゃねぇ」
啓佑の耳元で囁いた。
「だって……」
視線が交差する。やけに艶やかな光を感じた。俺達は博物館を後にする。幻燈館、駄菓子屋、キネマ通り。昭和レトロを堪能した。
「少し休もうか」
「うん」
日本庭園でのんびりしている。駄菓子を頬張った。
「少し強行スケジュールだったな」
「でも凄ぇ楽しかった」
視線が交差する。啓輔の瞳の奥から眩い光が放たれた。
「これからアウトレットモールに行ってその後スパ銭行くけどいいよな」
「うん。いっすよ」
俺達は立ちあがる。バス停へと向かった。バスに乗り込むとまた脛を擦りつけてくる。横を向くと視線がぶつかった。にやりを隠微な笑顔を浮かべている。ピクッとカラダが震えた。バスがアウトレットモールに到着する。多くの乗客が降りた。カップル達が仲睦まじくショッピングを楽しんでいる。俺達も恋人同士のように舞い上がった。色々と店を回る。色違いのポロシャツも買っちまった。これから最後の訪問地スパ銭に行く。こいつの全てが見れる。ちょびっとドキドキしてきた。空が茜色になっている。俺達はスパ銭に入った。バサバサ着ているものを脱いでいく。啓佑の視線を感じる。俺はを解いた。晒された啓佑の裸。想像以上だった。厚い胸板、ボコボコの腹筋。ボディビルダーのようなガタイだった。腹の辺りから続く剛毛。真ん中潜んでいる男の証が濡れているように見えた。中に入る。男達が惜しげもなく逸物を晒していた。下湯を掛ける。炭酸泉に並んで浸かった。気泡がカラダを刺激してくる。旅の疲れを癒してくれた。
「気持ちいいな」
「うん」
毛深い脚同士が静かに触れ合う。そって太腿を撫でられた。窯風呂というのがあったので行ってみる。扉を開けると中にはもうひとつ腰高の扉があった。その扉を潜る。湯煙が立ち込める小さな空間があった。6つの石の腰掛けが並んでいる。客は誰も居なかった。
俺達は並んで腰掛けに座る。スチームが纏わり付いてきた。
「いつもなんすか?」
「うんもう常用するようになってから10年以上になるかな。興味あんのか」
「うん、俺もたまに締めるっすよ」
視線が交差する。瞬時に股間を握られた。タオルをちんぽが持ち上げてくる。啓佑のちんぽも息衝いていた。タオルを剥ぎ取られる。外気に晒された俺のちんぽは瞬く間に天を衝いた。
「でっ、デケぇ」
啓佑の手を取ると握らせる。ドグッドグッドグッと血液が集まってくるのが判った。
「祥貴さん俺のも握ってくれよ」
俺の手が伸びる。その時人の気配を感じた。咄嗟にタオルで股間を覆う。何事も無かったかのように軽い会話を交わした。風呂を上がる。居食処の席に着いた。
「お疲れ様」
大ジョッキが触れ合った。話が盛り上がる。色んな事を語り合った。啓佑のスマホが鳴る。顔がどんよりと曇った。
”判った。これから行く”
「祥貴さん、ゴメンちょっと用事ができた」
「おっそうかじゃあな」
啓佑がスパ銭を出ていった。独りになった俺。ちょっぴり切なさが残った。今日バスの中で出会った俺と啓佑。手も握り合ったしキスもした。股間をぎゅっと握る。啓佑の温もりが蘇ってきた。夜布団に入る。目を瞑った。今日一日の事が頭の中を駆け巡る。啓佑の笑顔、風呂で見たガタイ。楽しい旅立った。でも何か虚しい。俺の中に啓佑が既に棲み付いているのが判った。啓佑に逢いたい。自然に俺はちんぽを握っていた。啓佑を思い浮かべる。俺はちんぽを扱いた。
「あぁぁぁぁぁぁ…啓佑、射ぐ、射く…んぁぁ出る」
ドピュッドピュッドピュッ…ビュビュッビュビュッビュビュッ…ビュッビュッビュッ俺は白濁汁を噴き上げた。
[ 2015/05/24 19:52 ] 路線バスの旅 | TB(-) | CM(0)

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