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明日へ①

 俺は派遣社員の岩永 智幸。38歳の髭で頭髪は坊主にしている。派遣元はゼットスタッフ。派遣先は総勢150人程のスタッフが稼動している、NDブレーンが運営する事務処理センターだ。スタッフ達は色んな派遣会社から来ている。仕事を始めて2年と4箇月が経過した。週末の金曜日、一通のメールが着信している。この前面接に行った会社からだ。時刻は夜7時を回っている。俺はスマホのメールを起動した。”岩永様。先日は面接にお越し頂きましてありがとうございました。採用が決定致しましたのでご案内いたします。24日からの研修に参加頂き弊社でご活躍いただければと存じます。現就労先へのご連絡などお手数ですが宜しくお願いします”
やったぁ。薄給の派遣社員から解放される。途中下車して派遣会社の担当者の森川ゆり子に電話した。森川ゆり子は40歳位に見える女。何かに付け俺に罵声を浴びせ威圧してくる。どぎつい眼光を持ちその面構えは荒い。憐れさを感じることさえある。嫌な予感がした。
”森川さんお疲れ様です。岩永です。実は来月の23日で退職したくお電話差し上げました”
帰ってきた言葉は金切声。その言葉がどんどんきつくなる。就業規則では契約解除する場合は1箇月前の告知で良い筈だ。森川は先方に伝えられるのは週明けだから1箇月に満たないと言い切る。尖った声に威圧された。
 週が明ける。森川は先方の担当者と折衝したと言う。残念ながら俺の退職は認められなかった。2年4箇月勤務…期間満了を僅か1週間程早く辞めたい。その切なる思いが叶えられなかった。
 内定した会社に連絡する。24日スタートが無理であれば今回の事は無かったことに……虚しい答えが返ってきた。切なさ悔しさが込み上げてくる。強い憤りを感じた。森川に電話する。冷酷な声が響いてきた。
「岩永さんはどうするんですか?」
「えっ……続けます」
「あっちが駄目ならこっちですか?クライアント様の心情的にはどうでしょうか」
お前らが俺の内定を取り消させたんだろ……俺は拳を握りしめた。
 翌日別の派遣会社から来ている同僚が20日で退職すると言う。俺とは同じチーム。そいつの退職はすんなり認められた。何故……俺は森川に詰め寄った。鬼のような形相を浮かべている。瞳の奥から淀んだ光が見えた。
「NDブレーンの村上さんが言ったことですから……」
言葉が返ってくる。その音色には怒気が含まれていた。結局俺は契約を更新する。穏やかでない毎日が流れ始めた。ポカンと空いた心の空洞。そこにに秋の冷風が嵐のように吹き込んできた。時が微かに流れる。俺は喫煙室でNDブレーンの担当者の村上さんと一緒になった。
「あっ岩永さんお疲れ様です」
「お疲れ様です」
村上さんの声に俺は応える。煙草を吹かしながら雑談をしていた。俺は村上さんに視線をぶつける。あのことを切り出してみた。
「あっ村上さん、内の森川俺のこと何て言ってましたか」
「えっ契約更新しないって聞いただけですけど……でもまた更新してくれたんですよね」
村上さんが怪訝そうな表情を浮かべた。
「俺、次の仕事決まってたんですよね。だから1箇月前に申し出たんですよ。でも村上さんに断れたって……」
「えぇっそうだったんですか。それなら辞めて貰って良かったのに……日数も充分にありましたもんね。済みませんでした」
村上さんが視線をぶつけてくる。言葉を続けた。
「森川さん自己都合だから契約期間満了した方がいいですよね。って言うからそうですねって応えたんです」
やはりそうか……森川はきちんと伝えてなかった。怒りは有る。でももう仕方ないと思った。
「もう良いです。終わったことだから……」
「岩永さん、大変ですよね。森川さんってかなりヒステリックみたいですものね。色々苦情入ってますよ。ゼットスタッフさんからは最初の頃15人来てたのに今岩永さん含めて3人ですものね」
俺は頷く。確かに色々黒い噂は耳に入っていた。
「前佐藤さんって男の人が担当してたでしょ。あの人は良くやって呉れたのに残念です」
村上さんが森川の事を色々話してくる。NDブレーン内でも悪評判みたいだ。
 森川に対する不信感が沸々と湧いてくる。怒りが俺の中で膨らんできた。そんなある日の帰り道。秋の夜風が優しく肌を撫でてきた。
夜 (8)
歩道を自転車が走ってくる。運転してるのは見た小学1年~2年の少年だ。
「あっ済みません」
接触する寸前で止まった。
「大丈夫だから心配するな。でも自転車はこの歩道で運転しちゃ駄目だぞ。学校とか親御さんに教わらなかったか?」
少年は首を横に振る。自転車を見ると森川碧斗と記載されていた。脳裏に邪な考えが過ぎる。森川ゆり子の住まいはここから近かった筈だ。もしかして……
「坊やお母さんって森川ゆり子って言うのか?」
「うん」
「ゼットスタッフという会社に勤めてるのか」
「うん」
「そうかぁ森川さんの息子だったんだな。小父ちゃんお母さんの会社で働いてんだ。ちょっとご挨拶させて貰うな」
「うん」
歩きながら少年と話をした。
「何年生なんだ」
「一年です」
「学校楽しいか?」
「うん」
あのヒステリックな森川の息子とは思えない健気な少年だ。時折見せる笑顔が無茶苦茶可愛い。5分程歩くと7階建のマンションが現われた。3階の部屋を少年が開ける。森川が出てきた。俺の顔を見るなり驚愕の表情を浮かべる。鋭い視線を浴びせてきた。
「あっ岩永さん」
「以外に近くに住んでたんだな」
「岩永さんもこの近くなんですか」
「まぁな」
森川と視線がぶつかる。俺は言葉を続けた。
「そこの歩道で坊やと接触しそうだったんだ。ちゃんと交通ルール教えてやった方がいいぜ」
森川の表情が強張る。俺の言葉を黙殺するように鋭い視線を飛ばしてきた。
「あんたはこんな時でも謝らないんだな」
「現況を確認してから……」
「現況確認って接触しそうになったのは事実なんだぜ。なぁ坊や」
少年はブルブル震えながら頷いた。
「それとも警察呼ぼうか」
「待って……」
俺にどぎつい視線を浴びせてきた。
「どうしたんだ」
奥から身長170㌢位の口髭を生やした男が出てくる。旦那さんか……。俺は経緯を説明する。男の表情が翳っていた。
「済まなかった」
男がぽつりと声にした。
「謝ることないわ。どうせコイツがトロトロ歩いていたんでしょうから……」
森川は少年を連れ奥に入った。
「申し訳ない」
「もういいですよ。でもおっかない奥さんですね」
男と視線がぶつかった。男らしくて優しい目をしている。何故か懐かしさを感じた。
「あれっもしかして智幸かよ」
「えっ……」
「俺だよ。柔道部の青木辰雄だ」
「あっ先輩えっ名字変わったんだ」
「養子に入ったんだ」
青木辰雄…柔道部の先輩、そして俺の処女を奪った男だった。思い掛けない再会をする。最後に会ったのは12年前のOB会だ。先輩に目を遣る。昔の精悍さはなくやつれている様に見えた。俺たちは電話番号とアドレスを交換する。森川家を後にした。
 先輩とのことが走馬灯のように蘇ってくる。大学の時俺は柔道をやっていた。俺が1年の時先輩は4年。先輩は主将を務めていた。上京して間もない俺。都会生活に中々馴染めなかった。授業に稽古そして私生活。青木先輩は色々面倒見てくれた。精悍な顔から零れる笑顔。そんな先輩に何時しか俺は魅かれていた。先輩のように強くなりたい。俺は稽古に励んだ。男にときめいている。俺ってもしかしてゲイ……自問自答する。答えは出なかった。女との初体験も済ませている。高校3年の時近所に住む女子大生に誘われるまま関係を持った。Sexは気持ち良かったのを覚えている。でも何かが違う。物足りなさを感じていた。3度やった女子大生とのSex。でも俺が恋心を感じることはなかった。思い返してみる。同級生、体育教師、先輩。俺の心の奥には逞しい男が棲んでいた。そして今青木先輩に魅かれている。稽古中の青木先輩。野太い掛け声、逞しいカラダ、うっすらと生えた髭。俺が夜千擦りする時何度もおかずにした。
「あぁぁぁぁぁ先輩、俺…あっあぁぁ射く。んぁぁ先輩射く」
ドピュッドピュッドピュッ…ビュビュッビュビュッビュビュッ…ビュッビュッビュッ先輩のことを思いながら俺は白濁汁を吹き上げた。季節は初夏。街路樹の若い緑が陽に照らされている。そんなある日青木先輩にご飯に誘われた。
「ここでいいか」
「ハイいっすよ」
先輩の家の近所の定食屋に入る。腹いっぱい飯を喰らい先輩の家に向かった。何度か遊びに来ている先輩の部屋。でもこの日は特別な空間に感じた。
「先輩彼女いたんだ」
「あぁちょっと前までな。お前はどうなんだ」
「高校3年の時は居たっすよ。へへ近所の女子大生……」
「年上か?んでやったのか」
「へへ…まぁね」
女に学校そして最近の出来事。話が弾んだ。話が今度の新人戦の事になる。俺は寝技を掛けられると弱かった。
「ちょっと抜け出してみろよ」
先輩が上四方固めを掛けてきた。中々抜けない。股間に腕が入ってくる。何度も経験してきたことだけど今日は違った。先輩に抱かれている。あっ……先輩の男臭い薫りに覆われた。”だっ駄目、先輩”心の中で俺は叫んだ。
「お、お前勃たさているのか」
「せ、先輩…おっ俺」
視線が絡まり合った。先輩の顔が近づいてくる。眩い視線をぶつけてきた。
「智幸可愛いぜ」
唇が軽く触れる。俺は先輩の唇にむしゃぶりつくようにキスをした。
「先輩って女好きじゃ……」
「俺は男も女もイケるんだ。お前の事は最初から目を付けていたんだよ」
先輩が俺の手を取る。股間に誘導された。そこは既に息衝いている。男の鼓動をしていた。ワイシャツのボタンを外される。乳首に指が這ってきた。カラダが微動した。其々服を脱ぐ。先輩のカラダ。大人の男を感じた。先輩がベッドに横たわる。俺は先輩の横にオズオズと滑り込んだ。抱き寄せられる。勃起したちんぽ同士が触れ合った。先輩の指が首筋に這ってくる。カラダがビクビク震えた。
「感度イイんだな。これならどうだ」
先輩のカラダが下にずれる。乳首に舌が這ってきた。空いてる手の指でもう片方の乳首が撫でられる。カラダが震撼した。
「あっあぁぁ……あぅ」
先輩の手が伸びる。俺のちんぽが握られた。
「凄ぇ汁でベトベトだぜ」
先輩のカラダが下に動いた。ちんぽに舌が這ってくる。ジュルッジュルッと舐め上げられた。金玉を軽く握られる。今度はちんぽを咥えられた。舌が執拗に絡んでくる。金玉を優しく摩られた。
「あぁぁ、あっ先輩気持ちいっす」
先輩はカラダを反転させる。目の前に先輩のちんぽが現れた。ガチガチになっ大人のちんぽ。俺はそっと舌を這わせた。尚も先輩は俺のちんぽをしゃぶり込んでる。俺は思い切って先輩のちんぽを咥えた。ジュルッジュルッ…ジュボッジュボッジュボッと淫猥な音が耳に響いた。俺のちんぽが放たれる。先輩の目が昂揚しているのが判った。
「やべぇ射きそうだったぜ」
先輩がカラダの向きを返る。俺の隣に並んだ。
「智幸、可愛い」
両頬を抑えられキスされる。手が俺のケツに伸びてきた。
「ここいいか」
男同士ってケツを使うのは知っていた。でもこの俺が……ちょびっと不安が過る。でも先輩が望むなら……
「優しくしてやるからな」
「うん、いっす。先輩が犯りたいなら俺はいっすよ」
両脚を抱え上げられる。舌がケツ穴を舐め上げた。
「先輩汚いっす」
「汚くなんかないぜ」
ジュルッジュルッと舐め上げられる。舌先がツンツンとケツ穴を叩いた。先輩が立ち上がる。机の引き出しから半透明はボトルを取り出した。中から何かの液体が入っている。先輩は指でそれを掬うと俺のケツ穴に塗り込めた。
「指挿れるからな」
「うん」
指が1本挿いってきた。
「痛くねぇか」
「大丈夫っす」
指が2本に増える。ジュグッジュグ卑猥な音が耳に届いた。
「もう1本いくぜ」
「うん」
指が3本に増えた。中を掻き回される。想定外の感触を覚えた。
「あっ、あっあぁあぁぁ」
「感じてきたみてぇだな。本物挿れてやるからな」
「うん」
両脚を抱え直される。先輩に目を遣った。ギラギラとしている。俺は犯されるんだ。感情がゴチャ混ぜになる。少しの恐怖と期待がグルグル頭の中を駆け巡った。先輩のちんぽが俺のケツ穴に宛てがわれる。グイッと中に挿いってきた。僅かな痛みが襲ってくる。内壁に先輩の亀頭を感じた。
「挿いったぜ。痛くねぇか」
「ちょびっと痛かったけど大丈夫っす」
先輩は俺を労わるようにゆっくりと腰を動かし始める。初めての感触を覚えた。俺の内壁が先輩のちんぽで擦られる。先輩は腰を動かしながら乳首に指が這わせてきた。
「あぁぁ、んぁ」
「智幸気持ちいいのか」
「先輩、いっす。気持ちいっす」
先輩の腰の動きが早くなった。グイッグイッと先輩の腰が突動する。奥の方が擦られてきた。
「あぁぁあぁぁ、んぁん、ん」
先輩の顔が近づいてくる。唇が奪われた。ケツを掘られながらキスされる。先輩の背中にしがみついた。
「智幸の中気持ちいいぜ。凄ぇ、んくぅ堪んねぇ」
「俺もいっす。気持ちいぃあぁぁ先輩」
ジュグッジュグッジュグッ…グショッグショッグショッ結合部から火照った音が鳴り響いた。先輩は突き込みながら俺のちんぽに手を這わせてくる。先っぽが指腹で摩られた。
「凄ぇ…汁いっぺぇ出てるぜ」
先輩のちんぽが俺の中をまい進してくる。同時に俺のちんぽを扱き始めた。
「あぁぁ駄目、そんな射っちゃう。んぁぁ先輩」
「俺もやべぇぜ。んぁ凄ぇ締まる」
パンパンパン…パンパンパン…パンパンパン先輩のカラダが俺を叩いた。
「と、智幸んぁぁぁ堪んねぇ。そんな締めるな。おぉぉぉ射ぐ。んぁぁんぉ射く。あぁぁ射くっ」
ケツの奥の方にお生暖かい汁がぶつかってくる。その途端俺は昇り詰めた。
「あぁぁ射ぐ。うぁぁんぁ先輩射ぐ。んぉぉんぁ射く」
ドピュッドピュッドピュッ…ビュビュッビュビュッビュビュッ…ビュッビュッビュッ俺は男の汁を噴き上げた。
「智幸気持ちよかったぜ」
「俺もっすよ」
先輩はちんぽを引き抜くと俺の横に滑り込んでくる。自然に唇が触れ合った。
「先輩」
「ん……」
ギュッと抱き締めてくれた。先輩の胸に抱かれる。心地よい疲労の中で浅い眠りについた。
「智幸……」
何れ位眠っただろうか先輩に揺り起こされる。いつもの爽やかな笑顔を向けてきた。
「あっ先輩」
「風呂入ろうぜ」
「八ッハイ」
浴室に入ると既に湯が張られてあった。
「ケツ大丈夫か」
先輩は屈んだ。ケツ穴を広げられる。俺のケツ穴を覗き込んでいた。
「恥ずかしいっす」
「大丈夫そうだな」
浴槽に並んで浸かった。先輩のカラダは既に熟している。大人の男の色香を感じた。俺のカラダは18歳にしては幼い。柔道は高校から始めた。筋肉はそれなりに出来てる。だが陰毛は生え揃ってはいるみたいだけど薄いと感じていた。
「先輩、俺のチン毛薄いっすか」
「心配するな。俺もお前位の時は今より薄かったぞ。その内モサモサしてくると思うぜ」
先輩が優しい眼差しを送ってくれた。俺の中で燻っていた性向が先輩によってが覚醒させる。憧憬の逞しく年上のオス。今俺の隣に居る。仄かな至福を感じていた。
風呂を上がる。着衣を整えた。
「先に部屋行ってろ。飲み物持って行くからさ」
「ハイ」
程なくして先輩が部屋に戻ってきた。
「おら飲もうぜ」
ビールのロング缶を差し出された。
「えっ……」
「いいから開けろ。俺達の記念日だからな」
「うん」
プシュッとプルトップが開けられる。喉越しよく流れていった。
「美味ぇな……」
「うん、美味ぇっす」
ビールを飲みながら交わす会話。先輩が屈託のない笑顔を送ってくれる。また1つ先輩の好きを見つけた。時間は夜11時を回っている。俺達はベッドに潜った。先輩が俺の股間に手を這わせてくる。俺も先輩の股間に手を這わせた。
「凄ぇデカくなってきたぜ」
「先輩もっすよ」
結局この晩先輩は俺の中に2発俺も掘られながら2発出した。この日を境に俺と先輩は付き合い始める。先輩と居ると自然に心が開いた。一人っ子の俺。兄貴みたいに思えたのかも知れない。殆ど俺が掘られたけどたまに掘らせてくれる。逢う度にやる度に俺の中で先輩の存在が大きくなった。でも先輩は俺とのことは遊びだったと思う。女ともそれなりに遊んでいるのを俺は知っている。だけどそれを問いただすことは出来なかった。季節は春を迎える。先輩は卒業した。ねだって貰った先輩の柔道着。今では俺の宝物になっている。時を経て俺は先輩と再会出来た。



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[ 2016/02/22 16:47 ] 明日へ | TB(-) | CM(0)

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