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燃え上がる心⑥

 そんな或る日事件が起きる。俺は目撃してしまった。サト兄ぃと一郎がハッテンホテルから出てくる所を……1度だけでは無かった。その4日後にも遭遇する。嫉妬心が湧き起こってきた。俺でない他の男にサト兄ぃは笑顔を送っている。俺は遣る瀬無くなった。会社でも家でもサト兄ぃは何時もと変らない。俺は聞こうと思ったけど聞けなかった。仕事が終わり家に帰る。俺はキッチンに立った。夕飯を作り始める。トントントン何時もより激しく包丁がまな板を叩く。程なくして料理が出来上がる。サト兄ぃが帰ってきた。俺は寝室に入る。荷物を鞄に詰め込んだ。寝室を出る。リビングに行くとサト兄ぃに視線を飛ばした。
「暫らく実家に帰らせて貰います。飯は出来てあるから……」
「えっ何でだ」
俺の言葉にサト兄ぃが応える。戸惑いの表情を浮かべていた。
「俺見ちまったんだ。ハッテンホテルから一郎と出てくる所をな」
俺は言い捨てる。玄関に向っていた。
「嘉和、あれはな……」
後からサト兄ぃの声が聞えた。俺は黙殺する。涙がボロボロ流れてきた。玄関を出る。駐車場に行くと車に乗り込んだ。裏切られた俺。ペアのリングと指輪を外した。また涙が溢れてくる。俺は車を動かし始めた。スマホが電話着信を報せる。俺は出なかった。程なくしてメールが着信する。俺は無視して車を転がし続けた。一緒に行った旅行、同棲するために巡った家具店。色んな事が頭の中を駆け巡る。俺の浮気。だが其れはサト兄ぃにも原因が有ると言ってくれた。俺だけのサト兄ぃ。何故、俺を裏切ったんだ。頭の中がグシャグシャになる。夜空から注がれる柔らかな月光が恨めしく感じた。車を転がすこと40分。俺は実家に着いた。車を降りる。玄関を開けた。
「ただいま」
おかんが立っている。視線をぶつけてきた。
「入れないよ」
「なんでだよ」
おかんの声に俺は応えた。
「諭さんから電話有ったよ。メール着てるんだろ。見てみなよ」
スマホを起動する。メールを開けた。
”嘉和、あれは仕事なんだ。あのホテルの4階にマシンを置くって言うから一郎に同行してただけだぜ。早く戻って来いよ”
「おかん、俺」
「早く帰んな。それとも付いていってやろうか」
「大丈夫だよ」
「あっちょっと待って」
おかんが中に入る。保存容器を持って戻ってきた。
「これ、古漬け持ってって」
「ありがとう。じゃぁね」
車に乗り込みエンジンを掛ける。また涙がボロボロ零れてきた。さっきの涙と意味は違うのは判っている。サト兄ぃの笑顔が浮かんできた。一目散に俺の車が転がる。早くサト兄ぃに逢いたい。気持ちが膨らんできた。自宅に着く。駐車場に車を停めるた。街燈の光が優しく感じる。
夜 (1)
エレベーターに乗った。もどかしさを覚える。エレベーターのスピードが遅く感じた。エレベーターを降りる。駆け足で玄関を目指した。ドアを開ける。バタンと閉じた。急ぎ足でリビングに入る。サト兄ぃと視線が交差した。
「お帰り」
「ただいま……」
サト兄ぃの声に俺は応えた。サト兄ぃが座るソファーの隣に掛ける。サト兄ぃにしがみ付いた。熟した男の薫りに包まれる。涙がボロボロ流れてきた。
「サト兄ぃ、おっ俺」
「何も言わなくていいぞ。判ってるからな」
サト兄ぃに荒々しく唇を奪われた。舌が入ってくる。俺達は舌を絡め合った。静かに唇が離れる。視線が交差した。
「風呂入っておいで……俺はもう入ったから」
「もう1回入ろう。ねっ」
俺はサト兄ぃに視線をぶつける。サト兄ぃの目。柔和な光を放っていた。
「判った。そうするか」
「うん」
サト兄ぃの声に俺は応える。風呂場に行った。バサバサ着ているものを脱ぐ。何度も見ているサト兄ぃのガタイ。だが今日はいっそう勇猛に見える。盛り上がった胸と肩の筋肉。僅かに付いてる腹の脂肪。その全てが愛おしく感じた。掛け湯をする。浴槽に向かい合って浸かった。
「ねぇサト兄ぃ、今日はいっぱいしてくれる」
「一昨日も一杯してやったぞ」
俺の言葉にサト兄ぃが応える。俺は頬を膨らましていた。
「一昨日は一昨日だろ」
サト兄ぃににじり寄る。ちんぽを握った。サト兄ぃも俺のちんぽを握ってくる。2本のちんぽは勃ち上がってきた。俺の手が伸びる。サト兄ぃの乳首を摩った。サト兄ぃも俺の乳首を弄ってくる。俺はにじり寄った。毛深い脚同士が交差する。ちんぽが触れ合った。サト兄ぃが2本のちんぽを重ねる。ゴシゴシ扱き始めた。扱きながらサト兄ぃが唇を寄せてくる。俺の方から合わせにいった。唇が触れ合うと舌を挿れる。俺達は舌を絡め合った。キスしながらちんぽが扱かれる。サト兄ぃの勃起の熱が伝ってきた。唇が離れる。サト兄ぃがちんぽを扱き捲くった。空いてる手で4つの金玉を合わせ捏ね繰る。金玉の奥が熱くなってきた。
「やべぇ射きそうだ」
「俺もやべぇ。一緒に射かすぜ」
俺の言葉にサト兄ぃが応える。扱く速度に拍車が掛かった。
「あぁぁあぁサト兄ぃ……あぁんぁ射ぐ。うぉぉあぁ射く。んぁぁんぉぉ射ぐっ」
「嘉和、あぁぁあぁ射く。うぉぉあぁ射く。んぁぁんぉ射くっ」
ドビュッドビュッドビュッ…ビュビュッビュビュッビュビュッ…ビュッビュッビュッ
ドビュッドビュッドビュッ…ビュッビュッビュッ…ビュビュッビュビュッビュビュッ
2本のちんぽから白濁汁が噴出した。その汁が揺動している。絡まりあいながら風呂底に沈んでいった。抱き寄せられる。軽く唇を重ねた。風呂を上がる。を締め込み、部屋着代わりの作務衣を羽織った。俺は寝室に入る。さっき詰め込んだ荷物を収納した。リビングに戻る。暖め直された料理がテーブルに並んでいた。お土産に頂いた古漬けも並べる。テーブルを挟み向かい合って座った。何時もの光景。だが格別の思いがある。俺達はグラスにビールを注ぎ合った。
「改めて言う。お帰り嘉和」
「うん」
サト兄ぃの言葉に俺は応える。グラスがカチンと触れ合った。
「嘉和、指輪どうしたんだ。無くしたのか」
「あっいっけねぇ」
俺は寝室に入る。指輪と時計を嵌めるとリビングに戻った。
「この古漬け美味ぇな」
「おかんの手作りっす」
サト兄ぃの声に俺は応える。俺達は色々なことを語り合った。食事を済ませ、ソファーに並んで座っている。焼酎の水割りのグラスを傾けた。甘えるようにサト兄ぃの肩に頭を乗せる。凄くいい薫りがしてきた。腕を伸ばしサト兄ぃの股間に手を置く。微かに息づいてくる。サト兄ぃの手を取ると俺の股間に誘導した。
「しようよ」
「判った」
俺の言葉にサト兄ぃが応える。俺達は立ち上がった。何度もやってるサト兄ぃとのまぐあい。何かが違う。俺はいつも以上に昂ぶっている。鼓動が早鐘のように高鳴ってきた。

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[ 2016/10/10 15:16 ] 燃え上がる心 | TB(-) | CM(0)

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