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刺青野郎①

 俺は小早川 陸斗この春、美大を卒業した。専攻してたのは日本画。中学の頃日本画に遭遇する。その繊細さに感銘を受け、日本画家を目指そうと思った。だがそんなに甘くないのは判っている。俺は日本画美術館の学芸員になった。仕事をしながら日本画の制作に励んでいる。登録してる画家支援のネットショップ。3箇月に1枚位は売れている。絵と共に筋肉が好きな俺。大学の時空手にい励んでいた。今はジムで鍛えている。時が流れた。俺は25歳の春を迎えた。公園の桜の木が満開になっている。今描いているのは人物画。六尺一丁の刺青男が大太鼓を叩いてる絵だ。俺の描く日本画は風景、静物を儚く描くことが多い。今回はチョッと冒険してみた。勇猛な絵が完成する。ネットショップに送付した。1通のメールが配信される。差出人は凱刺堂の清宮となっていた。
”凄くゾクゾクする絵描きますね。購入しました。頑張ってください”
何でも清宮さんは凱刺堂と言う刺青屋を営んでいるらしい。メールの交換を始める。何気に好感を持てた。1度逢おうと言うメールが届く。画像の交換をする。刺青師、チョッと怖いイメージが有った。季節は梅雨。雲間から微かに光が零れている。
曇天 (2)
俺は凱刺堂の扉を開いた。清宮さんは36の髭坊主で逞しいガタイを持っている。視線が交差した。強面の中に柔和な目の光を持っている。施術室に入った。
「俺の刺青見てみるか」
清宮さんの声に俺は首は縦に振られる。背中には釈迦如来の刺青が入っていた。数々の刺青画を見せられる。其の勇と美に俺は魅了した。時々御飯をする。刺青に掛ける熱意と其の技量に俺は魅かれた。清宮さんと出会い1年余りが経過する。季節は初夏を迎えた。今俺の背中には軍茶利明王の刺青が入っている。俺は内緒で墨を入れた。後悔なんかしていない。素敵な日本画を背負ってるのだから……
この前大学の同窓会が有った。久しぶりで逢った同級生達と話が盛り上がる。そんな中、文果が近づいてきた。
「ねぇしない」
俺の耳元で文果が囁いた。俺の股間に手を這わせる。俺は頷いていた。俺達は男と女の関係になる。俺の刺青に文果は驚いていた。日本画教室の教師を遣っていた文果。だが室長と折り合わず今は派遣社員をしてると言う。そんな文果と俺は付き合い始めた。俺の日本画の才能を文果は認めている。一緒に居ると心が落ち着き、良い感じで絵も描けた。俺と文果は27歳の秋を迎える。俺達は結婚した。財布は文果が握っている。それで良いと思った。食事の準備に掃除洗濯。文果は仕事をしながら俺に尽くしてくれるのだから……穏やかな時が流れる。俺は絵の制作に励んだ。今妙齢の女性を描いている。白肌に羽衣天女の刺青。パックリ肌蹴た和服から覗いている。渾身の一作が完成した。コンクールに出展する。俺は入選することが出来た。俺の生活が変化する。絵の依頼が僅かだが入ってきた。季節が巡る。文果と結婚して3度目の秋を迎えた。文果が独立しろと言う。俺は悩んだが”アトリエ陸”と言う日本画教室を立ち上げる。教師は俺と文果。傍らにはギャラリーが設けられた。経理は文果が担当する。俺達は切磋琢磨し、頑張った。どうにか波に乗る。細々だけと食えるようになった。文果に異変を感じる。服装が派手になってきた。俺は文果を問い詰める。俺に内緒で銀行から借金していた。其の額300万。文果と俺のクレジットカードからもキャッシングされていた。借金をまとめる。だが”アトリエ陸”の収入では賄えるものではなかった。借金返済の為文果は”アトリエ陸”の仕事を辞める。夜の仕事を始めた。すれ違い生活を強いられた俺達。夜の営みも激減した。半年ほど経過する。借金は少しずつだが目減りした。そんな或る日俺は帰宅する。離婚届と書置きがあった。”ご免なさい。好きな人が出来ました。さようならそしてありがとう。文果”俺は唖然とする。家には文果の荷物が無くなっていた。文果にメールする。配信されなかった。透かさず電話する。無情な音声が流れてきた。友人、知人そして文果の実家に連絡する。文果の行き先は判らなかった。ちょっとした騒ぎになる。戸惑った俺。だが捜索願は出さなかった。どうする俺。自問自答する。答えはでなかった。時が僅かに動く。俺は役所に離婚届を提出した。残された借金。俺は”アトリエ陸”を畳み、長距離便のトラックドライバーとなった。時が巡る。俺は俺は35歳の春を迎えた。今俺は坊主頭にしている。顎と口に髭を生やした。借金の返済が終わる。少しの蓄えも出来た。今でも俺はトラックに乗っている。今度長距離便から日勤の近距離便にして貰う。本格的に日本画制作を始める積もりだ。公園の桜の木が綻び始めている。俺は気分転換の為に転居した。2DKの間取りで1部屋はアトリエとして使っている。ジムにも通い始めた。スマホにメールが着信する。清宮さんからだった。今度花見を兼ねて刺青お披露目会を実施すると言う。今までも何度か誘われたが俺は参加していなかった。日時は来週の土曜の午後3時。場所は凱刺堂近くの和食処 勇嶽を貸し切りにしたと言う。男は一丁、女はオープンバックの服着用と書いてある。若い頃は神輿を担いでいた。は普通に締められる。参加の意思表明のメールを配信した。土曜を迎えた。を締め込むと着衣を整える。俺は会場へと向った。柔和な春の陽射しが心地好く感じる。心なしか心が弾んだ。勇嶽に着くと、中に入る。既に数名の男達が六尺の雄姿を晒していた。武者絵に龍、水滸伝。色んな刺青を背負っている。窓からは庭の桜の木が望めた。別室で一丁になる。次々と参加者達が集まった。総勢14名。其の中に5人の女も居る。俺達は大テーブルを囲んだ。テーブルには盛り沢山の料理が並べられている。みんなの熱気で包まれていた。
「ビール注げよ」
清宮さんが声を張り上げる。みんながビールを注ぎ合った。
「自分の墨、見て貰えよ。乾杯」
「おお」
清宮さんの声にみんなが応える。グラスがカチンカチンと触れ合った。宴会が始まる。アチコチで談笑していた。1人の勇猛な龍の刺青を入れた男が俺の隣に来る。男が視線をぶつけてきた。
「宜しくな。俺は日向だ」
日向と言う男が声を上げる。俺のぐい飲みに酒を注がれた。
「こちらこそ宜しくっす。小早川っす」
俺も男のぐい飲みに酒を注ぐ。直ぐに注がれたぐい飲みを一気に開けた。
「返杯っす」
俺のぐい飲みを日向さんに渡し、酒を注いだ。日向さんがぐい飲みを開ける。飲み口を拭うと、俺に渡され酒を注がれた。厳つい顔貌に鋭い眼光を放っている。背丈は俺と然程変わらない。多分170㌢前後に見える。年の頃は30歳台後半位に見える髭坊主。ぶ厚い筋肉でガタイが覆われている。左小指が第1関節から詰められていた。他愛ない話をする。日向さんは席を移動した。穏やかに時が流れる。記念撮影を終えると宴が終わった。其々が着衣を整える。俺達は勇嶽の前で別れた。家路に就く俺。背中が叩かれる。振り向くと日向さんだった。
「飲み直そうぜ」
日向さんが声を上げる。もしかして特別な職業。一瞬躊躇いを覚えた。

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「いっすね」
だが俺は応えていた。俺達は並んで歩み始める。夕刻の風が心地好く頬を撫でてきた。
[ 2017/03/12 21:00 ] 刺青野郎 | TB(-) | CM(0)

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