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髭の僧侶①

 俺、但野信勝。顎と口に髭を蓄えてる37歳。身長165㌢とチビだけど躰はそこそこ鍛えてる。実は今度所帯を持つ。相手は岡島亮一39歳。背丈は俺よりチョッと高くて168㌢。体型はガチムチ。顎の髭が良く似合っている。性格は優しくて強い。外見も性格もSexの相性も最高の相方だ。出来る事なら家族には祝福されたい。苦悩の末俺達が選んだ道はカミングアウト。其々の両親に2人揃って会った。親達は戸惑いを見せている。想定していた事。だけど俺達の愛の深さに心を動かしてくれた。
「良かったな。一生愛したるからな」亮一の清々しい声。
「うん、幸せになろうな」俺は明るく応えた。
一緒に住むマンションも決めた。もう直ぐ一緒に住める。浮き立つ心を押さえられない。そんな時携帯が鳴った。発信者は亮一の父さん。亮一が倒れた。クモ膜下出血らしい。俺は病院に駆け付けた。そして……逝った。岡島亮一享年39歳若すぎる死。握りしめた亮一の手から熱が引いていく。慟哭する亮一の家族そして俺。りょ、亮一、良一ぃ……呼びかけても言葉は無い。亮一の葬儀。祭壇の前に立った。弔辞を読む俺。感涙に咽び躰が震える。回りから嗚咽する声が聞こえてきた。心の中に風穴が開く。何をする気にもならなかった。遺品として頂いた、亮一の、腕時計、そしてパソコン。保存されている画像を見る度涙が頬を伝った。毎日亮一のを締める。夜布団に潜ると亮一が現れた。前袋に手を這わす。を解きケツ穴に指を這わせながらちんぽを激しく扱いた。我慢汁でちんぽが濡れてくる。亮一に嵌められた時を思い出す。涙が頬を伝った。
「亮一、亮一…あぁぁ亮一…堪んねぇ…射っていいか?」
「うん、いいぜ。射けよ」という言葉が聞こえてくる。そんな気がした。
「あぁっぁあ…うぅぅ…あぁぁ射く」
ドビュッドビュッドビュッ…白濁汁を噴き上げる。俺は毎夜亮一を思い出し、涙を流しながら千擦りを扱いた。
「新しい恋見付けろよ」友人の言葉……snsなどで探してみたけどその気には成らない。亮一の存在がでか過ぎる。あっまた……残像が過った。月忌命日は会社を休んでも必ず行った。お墓を綺麗に洗い生花を添え好物の酒と煙草を供える。お線香を手向け合掌した。頭の中を色んな思い出が走馬灯のように駆け巡る。出会った時の事。一緒に行った旅行。同棲を決めて一緒に住むマンションを捜し歩いた事。目尻から涙が零れてくる。先月1周忌が終わった。空は秋晴れ。亮一が逝った日と同じだ。
「信勝さんもう充分ですよ。息子の事は忘れて新しい人生歩んでください。亮一もそれを望んでいると思いますよ」亮一の母さんの優しい声が心に響いた。
「……」
言葉がでない。押し黙りニッコリ微笑むしか出来なかった。お参りが終わる。その時強い”気”を感じた。目を開けると黒い影に覆われている。何故か温もりを感じた。
「但野さん。お参り終わったみたいですね」
「あっ住職さん」
「良かったらお茶でも飲んでいきませんか」
「あっハイ……」
連れて行かれたのは寺務所内にある集会室。大きなテーブル。並んで椅子に座る。出されたお茶を啜りながら色々話をした。住職さんとはあまり話した事は無い。癒され和んだ。凍てついていた心の氷が氷解していく。そんな気がした。
「但野さんにとって亮一さんは特別な人だったんですね」
「えっ……」
「最愛の人だったんですね」
「えっ……」
「但野さんの行動とか今日お聞きした話で頷けました」
曖昧な表現をした積もりだけど心の熱が伝わったらしい。でもこの人にならなんでも話せる。そう思えた。
「実はそうなんです……」俺は素直に認めた。
「安心して下さい。私もそうですから……」
「えぇっそうなんですか」俺は驚愕する。だけど住職さんの存在少し近く感じらたのも事実だ。
こうして月忌命日の度毎俺達は語り合う。そして住職さんの話す法話は俺に元気をくれた。住職さんの事も色々判ってきた。名前は荻野 将崇、年齢は40歳、俺より2つ上、もし亮一が生きてれば同い年だ。仏教系の大学を出て寺を継いだらしい。既に他界しているご両親にはカミングアウトしている。だけどお姉さんは嫌悪感を示したと言う。その姉さんも嫁ぎ今は独り暮らししていると聞いた。
「お寺の運営も1人でなさってるんですか」
「ハイ」
「大変じゃないですか?」
「小さな寺ですし、檀家も少ないのでどうにかなってますよ」
背丈は俺と同じ位で多分165㌢前後だと思う。袈裟の上からでも伺える逞しい躰。大学時代柔道をしていたと話してくれた。浅黒い顔に太い眉。口と顎に髭を蓄えている。
髭 (6)
男臭い住職さん、穏やかなお人柄。いつしか俺は魅かれていった。初体験は修行の時で相手は同じく修行僧。その僧の影響でを締めるようになったと言っていた。
[ 2015/03/14 20:38 ] 髭の僧侶 | TB(-) | CM(0)

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