2ntブログ















試験監督⑦

俺達は本格的に付き合い始めた。時間が合えばデートする。俺んちで飯食ってその後は必ずまぐあう。映画、温泉、ショッピング色んな思い出も出来た。Hは俺が挿れることが多いけどたまに大凱に挿れて貰う。性格、外見は申し分ない。Hの相性もバッチリだ。理想の相手だと思っている。兄貴って慕ってくる大凱。本当の弟のようでもあり大切な俺の恋人だ。
大凱と一線を終えベッドで抱き合っている。
「お前さ、週に3~4日は俺んち来てんだろ。この際越してきたらどうなんだ」
「えっ…いいのか」
「あぁいいぜ。それに会社行くのもここからの方が近いだろ」
「うん、やった~」
時が流れる。秋が終わり季節は冬。年末に近い土曜日大凱は俺んちに越してきた。2人で寝ると少し狭目だったベッド。少し大きめの物に換えた。カーテンを若草色に換える。そして食器類をお揃いにした。大凱が通っていたジム。少し遠くなったのでそこは辞めて俺が行ってるジムに行き始めた。俺と大凱の新たな時が刻み始めている。リビングのテーブルに置かれた2台のパソコン。俺達は出会うきっかけになったSNSにアクセスしている。
「じゃぁいいな」
「うん……」
”大切な人が出来ました。今までありがとう。そんな訳で退会します”日記をアップした。
本当に退会しますか……俺と大凱はOKボタンを押した。そして年が開ける。輝かしい新年を俺達は一緒に迎えた。明けたばかりの空が、朝の冷気とともに新鮮に輝いている
風呂に入り新年用に用意した真っ新な白を締め込んだ。近所の神社で初詣。破魔矢も買った。
神社 (7)
「何祈ったんだ」
「多分兄貴と同じことだよ」
大凱ははにかみながら声にした。
「帰ってやるか」
「えっ……H」
「バカヤロ新年会やるって言ってたろ」
コツンとオデコを小突く。こんなやり取りも嬉しく思えた。
歩くこと1分。俺んちに着いた。玄関には注連飾りが掛けられている。このマンションに住んで10年経つ。大凱と言う家族が出来たから初めて飾ってみた。お正月は家族に生きる力を与えてくれる年神様を迎える行事らしい。その年神様が家に入りやすくするためのものが注連飾りと聞いたからだ。俺と大凱に生きる力を与えてくれますように……
テーブルには2人で作ったおせちが重箱に詰め込まれ並んでいる。向かい合って座りぐい呑みに日本酒を注ぎあった。
「明けましておめでとう今年も宜しくな」
「うん俺の方こそ宜しくです」
日本酒が喉を通る。特別な酒ではないけど最高に美味かった。酒を酌み交わしながらおせちを摘む。
「大凱は今年何か豊富あるのか?」
「今年は高度試験を目指そうかなって思ってるよ。それに……」
「それになんだよ」
「兄貴のガキ孕みてぇなってさ。何度も種付けされてるけどまだ妊娠しねぇんだ」
こんなことを真顔で言う大凱。そんなところも好きなんだ。ここに越してきてから正月はいつも独りだった。付き合っていた奴がいた年もある。でもそいつには俺より大切なものが有ったみたいだ。それが今年はこんな素敵な奴と一緒にいる。星合大凱28歳。健気さと男らしさを併せ持つ野郎だ。時には甘えん坊で時には勇猛になる。毎日のように新たな好きを発見してしまう。一杯元気と勇気を貰った。
「なぁ大凱…今夜殿初めしような」
「うん」
てか一緒に住んでから毎日やってるんだけど……
[ 2015/01/07 19:13 ] 試験監督 | TB(-) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する