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益荒男⑤

 翌朝下半身に生暖かさを感じる。俺は目覚めた。見ると雄基がちんぽをしゃぶっている。雄基の舌がちんぽに絡んできた。
「雄基なにしてんだ」
雄基が俺のちんぽから口を離した。
「へへおやっさんのちんぽしゃぶってるんだ。最近呑ませて貰ってないから……」
喉壁でぎゅぅぎゅうと締め付けてくる。我慢汁が溢れてくるのが自分でも判った。
「俺にもよこせ」
雄基はカラダを反転させる。顔前に現れた雄基のちんぽ。既にいきり勃っていた。口を近づけると濃厚な若雄の薫りを醸し出している。俺は舌先を亀頭の割れ目に当てると擽った。次に唇で亀頭を挟むと呑み込み始める。喉壁でぎゅうぎゅう締め付けてやった。雄基のカラダが微動する。口の中に我慢汁が広がった。顔を激しく前後させる。雄基も同じようにしゃぶり込んできた。
「ん、んん、ん」
「んん、ん、んん」
ジュルッジュルッジュルッ…ジュボッジュボッジュボッ湿った尺八音とくぐもった喘ぎ声が三重奏となって奏でられる。金玉を摩り合い、ちんぽをしゃぶりあった。金玉の奥でオス汁が射き場を探し始め、彷徨っている。雄基の微かに膨らんだ。俺の金玉が競り上がってくる。俺達は激しく顔を前後に抽動させた。
喉壁に雄基のオス汁がぶつかってくる。同時に俺も雄基の喉奥目掛けてオス汁を撃ち付けた。俺のちんぽが放たれる。俺も雄基のちんぽを口から離した。俺の喉がゴクンと鳴る。雄基の喉もゴクンと鳴った。雄基の濃厚な汁が喉を通る。体内へと流れていった。カラダを反転させる。雄基を抱き寄せた。
「淫乱坊主だな」
「おやっさんもだろ」
唇を合わせる。舌を挿れると絡め合った。2人の残り汁が融合される。仄かなオスの薫りが口の中に広がった。静かに唇が離れる。またキスをした。
「シャワー浴びて飯行くぞ」
「うん」
一緒にシャワーを浴びる。着衣を整えると1階のレストランに入った。大きな窓から燦々と清々しい高原の光が射し込んでいる。俺達は窓際のテーブル席に着いた。オムレツをひと口頬張る。トロトロ卵が口の中で蕩けた。食事を済ませる。俺達は旅館を後にした。秋の陽光が肌を優しく撫でてくる。俺達は川べりまでゆっくりと歩いた。岩畳を散歩する。中心を流れる渓流が時に穏やかに時には荒々しい姿とを見せてくれた。
「綺麗だな」
「うん」
雄基に手を差し伸べた。柔らかい手で握ってくる。雄基の心の熱が伝ってきた。
「あれに乗るぞ」
「うん」
川下りする為舟に乗り込んだ。程なくして船が動き始める。急流に差し掛かった。船が揺れ、飛沫が上がる。チョッとドキドキした。
「さすがプロの竿捌きだな」
雄基に目を遣った
「俺はおやっさんの竿捌きの方が凄ぇと思うけど……」
小っちゃい声を上げる。コツンとおでこを小突くとニッと微笑んだ。船を降りる。旅館の人に教わったご飯屋さんで焼き魚定食を頂いた。名所に景勝地。午後からは来るまで巡った。今街が望める丘の上に居る。遠くにSL列車が走っているのが見えた。
「雄基、楽しかったか?」
「うん、凄ぇ楽しかった。俺こんなに贅沢したこと無かったし……」
「また出掛けような」
「うん」
雄基の肩に腕を回すと俺の肩に顔を乗せてくる。軽く唇にチュッとした。
「雄基、愛してるぜ」
「俺もおやっさん愛してる」
雄基を抱き寄せた。顔を近付ける。唇が触れ合った。薄く開いた唇から舌を割り挿れる。舌が絡み合った。雄基の背中に回した腕に力を籠める。鼓動が伝ってきた。カラダが蕩けそうになる。静かに唇が離れた。陽が西の空に傾き始める。
西日
お土産を買い込み帰りの電車に乗り込んだ。シートに並んで座る。車窓からは夕陽に照らせらた石畳が望めた。
「綺麗な夕焼けだな」
「うん」
「雄基」
「何?」
「何でもねぇ呼んでみたかっただけだ」
雄基は俺の肩に頭を乗せてくる。スヤスヤと寝息を立て始めてた。その寝顔はやけに可愛い。屈託の無い笑顔、澄んだ瞳。何かあるとちょっと拗ねる。そのどれもが俺は好きだ。今まで俺は数え切れない女と犯ったし、付き合った女も居る。だが愛してるって言ったことは無い。今日素直な気持ちで愛してるって言った。この可愛過ぎる奴一緒に居たいと思っている。ずっと……
 櫻田は結局会社を畳んだ。自宅も処分したと言う。俺達の未払い給与のほんの一部は支払われた。残額を要求するつもりは毛頭無い。益荒男、強く優しい仲間達そして雄基。大切なものを手に入れたからそれで良かった。風の噂だと櫻田はアチコチのハッテントイレに出現するらしい。こっちの世界にどっぷり浸かってしまったようだ。仕事は日雇い労働でどうにか生計を立てていると聞いている。この前泣きの電話が入った。もう一度DVDに出演したいと言う。本当に生活困窮しているのではないかと思えた。俺と彬と要で相談する。初回は制裁の積りもあり出演して貰った。もう益荒男としては付き合いたくない。それが本音だ。だが知らない仲でも無い。今度が最後と言う事で作品に出て貰う事にした。内容は鳶の親方が剃毛され、目隠しされて回される。緊縛、吊るしも有りだ。ギャラは前よりは安い。内容、条件を承諾して貰った。但しやるからには俺らも本気で取り掛かる。いかに淫乱な親方を演じさせる積もりだ。
 クリスマス、年末年始を雄基と共に過ごした。年が明ける。初詣に行くと一緒に拝んだ。細やかな新年会をする。お年玉を上げると、無茶苦茶喜んでいた。犯り納めに殿始め。俺と雄基は毎日カラダを重ねていた。
 正月休みが終わる。益荒男は元気に始動した。新たな企画の打合せをする。執務を熟なした。今日は新年会。みんなで会場に向っている。しんしんと冷える冬の夜道が豪華な星空に彩られていた。向ったのは近くの居酒屋。中に入るとカップルグループ客で賑わっている。俺達もテーブル席に着いた。逞しく優しい仲間達。みんなの顔が輝いていた。
「今年もエロく稼ごうぜ」
彬が声を張り上げる。ジョッキが触れ合った。刺身、寄せ鍋、サラダ。酒を飲み料理を喰らった。話が盛り上がる。彬が俺に目を呉れた。
「女好きのタカ兄ぃがすっかりゲイに成っちまったみたいっすね」
「えっ……」
「雄基に挿れられることも有るんでしょ。ケツマン結構感じるみたいっすね」
彬の声がやけに隠微に響いた。
「えっ……」
「雄基が言ってたから……」
「雄基お前余計なこと言いやがってよぉ」
「だって聞かれたから……彬兄ぃは兄貴だし……」
雄基が屈託の無い笑顔を向けてきた。
「あっそうだ雄基これお年玉な」
「えっありがとう」
彬、要、憲太、慎治。4人の兄ぃ達が雄基にぽち袋を渡している。雄基が満面の笑みを浮かべていた。和やかな中、新年の宴が終わる。俺達は居酒屋を後にした。確かに今俺はゲイを自認している。男を抱く悦び、そして抱かれる悦び。2つの快感を俺は覚えた。だがそれは相手が雄基だったからだと思っている。俺に元気を与えてくれる男だ。俺を実の親のように慕ってくる。明るく元気で爽やか。ヤル時は淫乱になる。寂しがりやで甘えん坊。そんな男が今俺の奥深い所に棲んでいる。季節は冬。冷たい夜風が温暖に感じた。



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[ 2016/01/09 09:42 ] 益荒男 | TB(-) | CM(0)

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