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枕営業①

 俺は片瀬祐一35歳…職業1級建築士、建築工房片瀬の社長もやらせて貰っている。社員は全員男だ。ゲイ専門の会社ではないけどゲイバー、ハッテン場等の工事も結構手掛けてる。最近では口コミで噂が広がりそこそこ忙しくなってきた。特に多くなったのはゲイのカップルが住む戸建て、マンション等のリフォーム工事。ゲイならではの悩みも有るので相談件数も増えてきたみたいだ。特にカミングアウトはしてないけど取引先、協力会社、社員、職人達は俺の事をゲイだと知っている。ただ誰もが偏見を持っていない。内装を良く頼むクラフト吉川さんのグループ会社で毎田住器と言う建材店を先日紹介された。取引条件を見ると可もなく不可もない。ただ取引先は多いに越したことはない。それに営業担当の瀧本凱斗を気に入ってしまった。スポーツ刈りで色黒の32歳。身長は見た目165㌢位と短躯な方だけど体型はかなりガッチリしている。学生時代柔道をやってたと言っていた。誠実な態度で俺に接し豊富な知識も持っている。取引を開始することにした。その契約をする為に今電車で向かっている。時間は午前10時を少し回った所だ。ラッシュは終わった時間帯だけどそこそこ混んでいる。隣に立っている女が携帯を取出し電話し始めた。歳の頃30前後。強めの香水が鼻を刺した。済まなそうに小声で話すのではなく正々堂々と声を出している。その声が甲高くなった。乗っている乗客達は迷惑そうに眉を顰めてる。俺は見るに見かねて優しく注意した。止める気配は毛頭無い。もう一度注意した。その女、一端電話を離した。
「うるさいわねぇ、私の勝手でしょ。バカじゃないの」
「電車の中では通話しないのが常識だろ。アナウンスでもそう言ってるぜ。聞こえねぇのか?」
キッと俺を睨む。そしてまた電話で話し始めた。
「止めた方がいいぞ」低い声で言う。鋭い視線が突き刺さってくる。次の瞬間その女が声を張り上げた。
「助けてください。お尻触られています」
視線が集まってくる。俺の目の前に座っていた気丈そうな老夫人が口を開いた。
「この人はそんなことしてないわ。その人が電話してたの注意してただけよ」
電車がホームに入る。気付くと女はもう居なかった。心に何かが兆してくる。憤りに似た感情が体の中に突き上げてくるのを覚えた。気持ちを切り替えその建材会社に向かっている。空を見上げると曇天が広がっていた。秋風がやけに冷たく纏わりついてくる。約束の11時。俺は毎田住設の入口を入った。応接室に通される。社長と瀧本が現れた。
「社長いらっしゃいませ」瀧本君の声がやけに明るい。テーブルを挟み向かい側に瀧本と毎田社長が座っている。今朝の出来事を冗談混じりで話していた。
「失礼します」
1人の女子社員がお茶を持って入ってくる。俺と視線がぶつかり合った。
「あっ…」さっきの失礼な女が小さく声を上げる。顔が強張っていた
「先ほどは失礼致しました」俺は立ち上がると会釈する。女の鋭い視線が突き刺さってきた。
「私に何かおっしゃること無いんですか」俺が低い声で言う。
「別に……」女のふて腐れたような声。
「お客様に失礼だぞ」毎田社長の声が応接室に緩く響く。女は踵を返し、応接室を出て行った。
「申し訳ございません」毎田社長と瀧本君が頭を下げた。
「お知り合いだったんですか」
「先程話していた女性です」毎田社長の言葉に俺は応える。
「瀧本って名札に書いてありましたけど……」
「私の女房です」瀧本君が力なく声にする」
緊張した雰囲気が応接室に漂った。したたかな女。社員教育の出来ていない会社。一瞬にして会社への不信感を覚えてしまった。
「社長、申し訳ないけど御社との取引は出来ません」
「えっ……」毎田社長と瀧本君が唖然とした表情を浮かべる。俺は毎田住設を後にした。空を見上げる。天空からは今にも雨が降り出しそうだった。
ガチ魔羅になりたいです

絶倫大魔王

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[ 2015/03/24 13:18 ] 枕営業 | TB(-) | CM(0)

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