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爽男子哀話②

 外は夕闇に包まれてる。俺は折原家のインターホンを押した。
「伊達です」
「今開けます」
ドアが開いた。折原親子が現われる。痛々しい傷口、腫れた顔。心なしか表情は明るく見える。お見舞いの花束とケーキの箱を渡した。折原さんの後ろに怯えた表情の翼君が居る。心が張り裂けるように痛くなった。
「折原さん元気出してくださいね」
俺は努めて明るい表情で言った。
「ありがとうございます」
僅かながら安堵の表情を俺に向けてきた。
「困った事あったら相談してくださいね」
にっこり微笑みを浮かべる。折原さんちを後にした。俺は自宅で仕事をしていることが多い。仕事の合間に時々折原さんちに顔を出した。怪我が酷く家事は辛い作業になっているのが垣間見える。この時心底この親子を助けてやりたいと思った。傷の治りが早くなる栄養素を検索する。亜鉛にビタミンそしてアミノ酸。食材を考え、弁当にする。天気雨が上がった。空には虹が出ている。
虹
俺は折原家のインターホンを鳴らした。
「あっ伊達さん。いつも気遣って頂いてありがとうございます」
「いえとんでもないです。傷の治りが早くなるって言う料理作って来たんで一緒に昼飯にしませんか」
幾分腫れが引いたような気がする。だが痛々しさは変わらなかった。ちょっと戸惑いの表情を浮かべる。だがリビングに通された。「あっお茶煎れますね」
折原さんが不自由なカラダで立ち上がろうとする。表情が歪んでいた。
「あっ座っててください 。折原さん大きな怪我してるんですからね。俺に任せてください。キッチン借りますね」
俺は母親のように優しく言った。
「えっでも……汚れてるんですよ」
情けなさげに俺を見る。微弱な声を上げた。
「大丈夫ですよ」
俺は務めて優しく声にした。
「済みません。断りもしないで洗い物片付けておきました」
「あっありがとうございます。お恥ずかしい限りです」
「仕方ないですよ。大怪我の後なんですからね。さっそれより食べましょう」
折原さんが料理を口にしている。微かだが表情が緩んでいた。
「凄く美味しいです。伊達さん料理上手いですね」
「ありがとうございます。喜んで貰えると俺も嬉しいです」
他愛ない会話をしながら弁当を食べる。折原さんの表情も僅かに明るくなっていた。
「そのお身体だと家事大変じゃないですか?」
「ハイ、実は……家政婦でも頼もうかと考えてた所なんですよね」
「勿体ないですよ。結構するみたいですよ」
「そうなんですよね」
折原さんが不安げに声にした。
「良かったら俺が時々来てやって上げますよ。こう見えても家事好きですから」
「でも……」
戸惑いの表情を浮かべている。赤の他人の俺。頼み難いんだと思った。
「遠くの親戚よりも近くの他人ですよ。助け合っていかないとね」
視線が交差する。戸惑いと安堵の色が混在している表情を浮かべていた。
「判りました。ご好意に甘えさせて頂きます。でも幾らかでもお礼させて貰えませんか?」
「そんな積もりじゃぁないですけど心苦しいようでしたら……」
メモに書くと折原さんにに渡した。
「これが伊達家政夫紹介所の料金表です」
俺が戯けるように声にした。そのメモには1回100円と書いてある。視線が交差した。
「いいんですか?」
「ハイ」
明るく答えながら頷いた。俺は折原さんちの家事を手伝う事になる。掃除、洗濯それに料理。時間が許せば翼君の弁当も作った。一緒に食事を摂る事も多くなっている。いつしか親密になっていた。翼君が以前のように懐いてくる。旦那さんも本音をぶつけてくるようになった。
昼食を済ませる。食後の珈琲を飲んでいた。折原さんが視線をぶつけてきた。その眼光は翳っていた。
「伊達さんチョッと聞いて貰っていいですか」
「ハイ、いいですよ」
折原さんがポツリと声にする。俺は応えた。
「この家を建てなければこんな事にならなかったかも知れない……」
折原さんは一端言葉を止め今度は淡々と静かな口調で語り始めた。
「あいつがどうしても欲しいって言うので建てる事にしたんですけど俺の収入だと生活かなり切り詰めないと駄目だったんですよ」
折原さんの目が悲哀に満ちてくる。言葉を続けた。
「翼を保育園に預けてパートに出たらって言っても無理だって言うんですよ。もっと手頃な物件探そうって言っても頑として聞かなかったんですよね。結局贅沢は止めるし節約料理もいろいろ研究するからって言われて押し切られちゃって、あの時もっと……あぁぁ」
折原さんは頭を掻きむしっている。また語り始めた。
「最初の頃は豆腐とかひき肉とか使って色々美味いもの作ってくれたんですよね。家庭菜園も初めてどうにかなるかなって思ったんですけどね。俺の小遣いも減らされ、スポーツクラブも止めた。たけどその分弁当持たせてくれました」
「あっ良く3人でやってましたもんね。楽しそうでしたよ」
「そうなんですよ。翼もキャッキャッ言って喜んでましたよ」
折原さんの目が一瞬輝き、そしてまた沈んだ。
「でも派手好きのあいつにはそういう生活無理だったんですよ」
俺に視線をぶつけてくる。瞳の奥から哀感の色が見えた。
「半年位経った辺りから、エステ行ったりブランド物の洋服買ったりし始めたんすよね。注意すると私
頑張ってるからご褒美よって言ってました。それで済めば良かったんすけど家庭菜園も放置状態になったし料理も手抜きになって……週末は友達と遊び歩き買い物も止まなかった。あいつに質素な暮らしは無理だったんですよ。相当ストレスが溜まってたんでしょうね」
折原さんが両手をギュッと握りしめた。
「そのストレスの為だと思うんですけど、翼に手を上げたのは許せなかった」
「えっ、翼君に手を上げたって……」
「虐待してたんですよ。翼のカラダに傷とか腫れがあったから問い詰めたら逆切れするんですよね。それで翌日、会社休んで翼を医者に連れて行ったんですよ。幸い怪我の理由も追求されなかったんですけど……」
折原さんの言葉に怒気が含まれてきた。
「それが気に入らなかった判らないですけど、俺に矛先を向けてきたんすよね。最初は言葉の暴力だったすけどね。稼ぎが悪い。もっと働け。いつまで食ってんだよ。おめぇとろいんだよってね。俺に内緒で知り合いのカラオケ屋のバイト決めてきたんですよね。もっと働けって言うから仕方なしに週3日夜にバイトしてたっすよ。あいつの遊行費稼ぐ為にね……」
節約生活をしないと駄目なのは判っていた筈だ。だがなそれがストレスになる。それを人のせいだと勘違いした。身勝手過ぎる。徐々に折原さんの事を軽視し始めたんだなと俺は思った。
「その頃からですよね。俺を殴る、蹴るが始まったのが……何でも俺のせいにして折檻するんすよね」
折原さんが声にする。言葉の怒気が強くなっていた。
「一緒に買い物に行ってレジの女の子にありがとうって言うと……てめぇ、私という者がいながら浮気
かよ。エステに行ってくると……自分の女房が綺麗になってきたのに何とか言わねぇのか。翼君が駄々
捏ねると……てめぇの躾が悪いんだよってね。その後殴られたり蹴られたりしてました」
「反撃しようと思わなかったんですか」
「思いました。でも女に手を上げる事は出来ないですよね」
「そうですね。男らしいですね」
「それがドンドン過激になったんですよ。包丁で腕とか脚に傷を入れられた事もあるし、熱したアイロンを胸とか腹に押し付けた事も有りましたね。熱湯を股間に掛けられたりね」
その状況を想像する。背筋に悪寒が走った。
「露見するのが怖かったんでしょね。最初、腹とか胸とか目に付かない所でしたよ。段々顔殴られたり蹴られたり、フライパンで殴られた時もあったな。会社もバイトも休ませられましたよ。医者に行きたいって言っても拒否されました。市販の薬は渡されるんですけどね」
あの理想的な家庭。そしてあの朗らかな奥さんが未だに信じられない。薬を渡す位だから悪い事をしてると言う気持ちはあると思った。だがもう後には引けない位になっていたのだろうか?俺には理解できなかった。折角好きで一緒になった人だろうに……折原さんのカラダがガクガク震えている。目から涙が一滴流れ落ちた。心の丈を俺に語った折原さん。少し楽になったのか、顔から少しだけ強張りが消えたような気がした。

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[ 2016/03/05 18:50 ] 爽男子哀話 | TB(-) | CM(0)

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