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2人の親父⑥

 付き合い始めて5箇月程経過する。季節は早春。冷たい風も温かく感じた。今日もアルバイトに来ている。店が終わった。純太兄さんが帰る。いつものように俺は抱かれた。
「浩平、お前住み込めよ」
おっちゃんがぽつりと声にした。
「えっ……」
家からここまで自転車で10分位の距離充分通える。でも俺はいつでもおっちゃんと一緒に居たかった。
おっちゃんと視線がぶつかる。穏やかだけど熱い光を感じた。
「ハイ、判りました」
俺は応えた。
「浩平、これでいつでも一緒だな」
「うん、おっちゃん……」
おっちゃんに目を遣った。
「おっちゃん、いっつも一緒だから浮気できねぇぞ。いいのか」
「お前みたいな淫乱野郎1人相手にしてるだけで充分だぜ」
俺はちょびっと頬を膨らませた。
「お、俺って淫乱なのか?」
「ああ淫乱だ。でも俺はお前のそんなとこも好きなんだ」
抱き寄せられた。頭を撫でられる。そして軽く唇が合わせられた。舌が深く挿いってくる。軽めのキスがいつしか濃厚になっていった。
 翌日曜日、時刻は昼下がりの午後。おっちゃんは俺んちに現れた。今リビングでテーブルを囲んでいる。俺の隣には父さん、向かい側におっちゃんが座った。おっちゃんが父さんに視線をぶつける。俺の住み込みの事を話した。父さんが息を飲んでいる。チョッと驚いた表情を浮かべた。
「匡志、実はな俺と浩平は出来ているんだ。済まんお前の息子に手ぇ出しちまった」
「違うっす。俺が犯って呉れって頼んだんです。お、俺おっちゃんの事ずっと好きだった……」俺は父さんに訴えた。
「えっ……」
「それに俺とお前の事も知っている。俺が何時だったかお前とやっている所を目撃されてたみてぇだ」
父さんがかなり動揺しているのが判った。
「そ、そうかぁ。俺もこいつはそうじゃねぇかとは思っていたんだよな。親父の感でな。でも相手がお前だとは驚いたぜ」
「俺は浩平を公私共々面倒みてぇ。なっ住み込みいいよな」
場に緊張が走る。沈黙が続いた。父さんがおっちゃんを真っ直ぐに見る。重たい口を開いた。
「判った啓治、こいつを頼むよ」
しんみりと父さんが声を上げた。
「匡志ありがとう」
おっちゃんがにっこりほほ笑んだ。
「俺も浩平もお前に男に抱かれる歓び教えて貰ったんだな」
父さんが感慨深げに声にした。父さんのスマホの着信音がなる。一端席を外し、戻ってきた。
「俺も話がある。俺の彼氏を紹介するからな」
「えっ、匡志の彼氏かよ」
「チョッと待て今ここに来るからな」
20分程経過したする。インターホンが鳴った。
「今行く」
父さんの表情が緩んでいる。父さんが1人の青年を連れてきた。そこに現れたのは……
「純太……」
「じゅ、純太兄さん……」
俺とおっちゃんは驚愕した。
「俺の彼氏の純太だ」
父さんの嬉しそうな声を上げた。
「世間は狭いもんだな」
おっちゃんが声にする。純太兄さんは頬を赤らめていた。
「匡志、おめぇ純太と何処で知り合ったんだよ」
おっちゃんが声にした。
ゲイsnsなんだ。何回かメールやり取りして逢う事になったんだけど吃驚したぜ」
父さんが声を上げる。顔付きが綻んでいた。
「俺もっす。兄貴は憧れの人だったけど、こっちの人だと判って驚いたよ。でも嬉しかったなぁ」
純太兄さんが父さんを見ながら笑みを浮かべる。和気あいあいと4匹の雄達の会話が弾んだ。
”純太兄さん、父さんの事”兄貴”って呼んでいる。チョビッと年上の兄貴だなって俺は思った。ゲイsns。父さんも純太兄さんも締めるのかなぁ……俺も締めてみたいと思った。
「啓治、浩平を宜しく頼むな」
「あぁ預かるぜ。お前も純太の事宜しく頼むな」
「あぁ判った」
父さんとおっちゃんがエールを交換した。
「浩平立派な料理人になれよ。しっかり男仕込んで貰うんだぞ」
「うん、父さんありがとう」
俺は明るく応えた。
「純太、匡志はいい奴だからな。幸せにして貰えよ」
おっちゃんが言葉にする。とても穏やかに聞えた。
「ハイ、大将ありがとうございます」
純太兄さんがおっちゃんの言葉に明るく応えた。
父さんとおっちゃんとのあの日の事。今は何とも思っていない。俺は父さんもおっちゃんも好き。好きと言う意味合いはちょっと違うけどどっちも大切な人に違いない。時が微かに流れる。今日は俺の就職祝いだ。そしてその前に4人の絆を更に深める儀式がある。場所は大和だ。定休日の厨房。包丁がまな板を叩く音がコンコンコンと小気味よく響く。いつもの厨房とは違う雰囲気が漂っている。大将、純太兄さん、そして俺。それぞれの想いを籠めて包丁を握っている。下拵えを済ませた。夕刻父さんも現れる。2階のおっちゃんちで各々カラダを清めた。この日の為に父さんとおっちゃんが用意した物。それは真っ新な白晒のと白作務衣。これから相方色に染まる為に白色が選ばれた。リビングのテーブルに4人分並べて置かれている。それぞれ着替え始めた。逞しい男達。キリッと締め込まれた姿が男らしい。を締めれない俺はおっちゃんに締めて貰った。
褌 (5)
4人のそれどれの想いを乗せて店に入る。緊張した面持ちの4匹の雄達が居た。
「これより固めの儀式を行う。依存はないな」
父さんが神妙に声を上げる。店に低く響いた。
「押忍!!」
おっちゃん、純太兄さん、俺の声が力強く重なる。テーブルの上には徳利と4つのぐい飲みそして桜色の布地に包まれた物が置かれた。
「啓治、浩平両名に問う。これからの人生。蒼天ばかりではない。疾風迅雷が襲ってくることもある。そんな時ふたりの力を合わせ、乗り切る事を誓えるか……そもさん」
父さんが吠える。その声が力強く聞えた。
「説破。誓います」
俺とおっちゃんが声を張り上げた。
「匡史、純太両名に問う。これからの人生、凪だけではない。どんな巨濤が来ようともふたりの力を合わせ、乗り切る事を誓えるか……そもさん」
おっちゃんの声が轟いた。
「説破。誓います」
父さんと純太兄さんが声を張り上げた。桜色の布地が解かれる。包みの中には金色の板が2枚入っていた。
1枚の板には”啓治と浩平最高な相方と身内を此処に得る”と記されている。もう1枚の板には”匡史と純太最高な相方と身内を此処に得る”と記されていた。板の中央に書かれている絆と言う1文字。その下には4人の名前が連なっている。2枚の板が並べられた。俺とおっちゃんの手が重なり板の上に乗る。もう1枚の板の上には父さんと純太兄さんの手が重なった。
「目を瞑れ。念を送れ」
おっちゃんが静かに声にした。目を瞑り念を送る。次に2の板が重ねられた。そして4人の手がその上に重なる。瞼をゆっくり閉じた。
「念を送れ」
父さんの重たい声を上げた。俺達は念を送る。4人の心がひとつになった。
「固めの杯を交わす」
父さんが低い声を上げる。俺達は頷くと酒を注ぎあった。父さんが目で合図する。俺達は一気に酒を飲み干した。父さんとおっちゃんが目配せしている。その目がキラッと光った。
「浩平、純太、俺と啓治からお前らに渡したい物がある」
父さんがぽつりと声にした。おっちゃんがにっこりと微笑んでいる。俺と純太兄さんに包みが渡された。
「開けていいっすか?」
純太兄さんの緊張した声。包みを開けた。
「あっ……」
俺はおっちゃんを見た。
「あっ……」
純太兄さんが父さんを見てる。そこにはそれぞれ2本のシルバーネックレスが入っていた。
「掛けてやるよ」
おっちゃんがネックレスを手に取ると俺の首に掛ける。純太兄さんも父さんに掛けて貰っていた。
「俺にも掛けてくれよ」
「うん」
おっちゃんの声に俺は応えた。おっちゃんの首にネックレスを掛ける。傍らでは純太兄さんが父さんに掛けていた。俺とおっちゃんのネックレスには Pure Loveと其々の名前が刻まれている。父さんと純太兄さんのネックレスにはTrue Loveと2人の名前が刻印されていた。おっちゃんが俺のほっぺにチュッとする。父さんも純太兄さんにキスしていた。
「最高の相方と身内を得られたぜ」
「押忍!!」
おっちゃんの声に3人が応えた。俺達の絆を深くする儀式が終わる。俺の心の中に新たな安堵が生まれた。俺達3人は厨房に入る。料理の仕上げをした。父さんは食器類をテーブルに並べている。焼き物、揚げ物、蒸し物と次々に料理が完成された。
「さぁ、これからは浩平の就職祝いだからな。料理運べよ」
おっちゃんが明るい声で言う。俺と父さんが並んで座り向かいの席にはおっちゃんと純太さんが座った。グラスにビールが注がれた。「浩平、就職おめでとう。立派な料理人になれよ」
父さんの優しい声が心に響いた。
「ハイ、頑張ります」
俺は明るく応える。カチンカチンとグラスが触れ合った。父さんとおっちゃんが高校の部活の事で盛り上がっている。俺は純太兄さんに仕事の事を色々と聞いた。4人の胸元にはペアネックレスが光っている。美味い料理を食べ酒を酌み交わした。酔いが回り8つの瞳が幸せ色に光る。大和の店内がに過熱していく。父さんとおっちゃんの会話の中で俺の名前が聞えた。
「あっ俺の悪口言ってるのかよ」
「そんな事ねぇよ。啓治がお前の舌がいいって言ってるんだ」
「えっちんぽしゃぶるの上手いって事……」
「バカやろ味覚が優れてることだ」
父さんがおでこをコツンと小突いた。
「お前は何でもそっちに結び付けるんだからな」
今度はおっちゃんの手が伸びてくる。コツンとおでこを小突かれた。俺は頬を膨らませてる。おっちゃんを見た。
「こっち来い」
おっちゃんの優しい声を上げる。傍らに行くと耳元で囁かれた。
「ちんぽ咥えるのも上手いぜ」
頬っぺたにチュッとされた。
「兄貴ぃ俺の舌はどうなんすか?」
純太兄さんがハニカミながら声にした。
「最高だ」
父さんが純太兄さんを手招きする。 父さんは純太兄さんの両頬を両手で覆うと唇にチュッとした。俺の隣にはおっちゃん。そして父さんの隣には純太兄さんが座っている。熱気を感じた。
「おっちゃんあ~んして」
俺がおっちゃんの口許に料理を差し出した。
「兄貴ぃハイ、あ~んして」
純太兄さんが父さんの口許に料理を運んでいる。おっちゃんと父さんは恥ずかしそうに食べていいた。おっちゃんの手が俺の股間を弄ってくる。俺も弄り返した。見ると父さんと純太兄さんもイチャイチャしている。いやらしい気持ちが沸き上がってきた。
「そろそろ締めるぞ」
父さんが声にした。俺達は立ち上がる。4人の瞳が絡み合った。
「よぉ~ぉ、パン」
おっちゃんがきっちり締める。宴は終わった。みんなで後片付けをする。俺達はおっちゃんちへ入った。俺達は着替えを済ませる。テーブルを囲んだ。
「浩平、泊まってけ」
俺は父さんを見る。父さんは頭を縦に振った。
「うん」
おっちゃんに向かって元気な声を返した。
「純太、帰るぜ」
父さんがにっこりしながら純太兄さんに声を掛けた。
「うん」
純太兄さんが明るく声にする。今淫靡な2つの夜が始まろうとしていた。
「じゃぁまたな」
父さんの浮いた声を上げる。純太兄さんはコクリと頷いた。俺と純太兄さんの視線が交差する。眩いばかりの光を感じた。
”父さんを宜しくお願いします”
”判った。大切にするからな”
俺と純太兄さんは目で会話した。
「じゃぁまたな」
おっちゃんの声が耳に響く。父さんと純太兄さんが寄り添うようにおっちゃんちを出て行った。



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[ 2016/04/16 17:37 ] 2人の親父 | TB(-) | CM(0)

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