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トラック野郎⑩

 初夜が開けた。眩いばかりの朝陽がカーテンの隙間から射し込んでいる。
木漏れ日 (3)
隣にいるはずの陽はもういなかった。リビングに行くと陽が朝飯を作っている。
「おはよう」
「あっ兄ちゃんおはよう」
キュンキュンキュンと陽太が纏わり付いてきた。俺達の新たな時間が動き始めている。俺と陽と陽太。大塚家の時が刻み始めた。朝飯を食い2人と1匹で散歩に出掛ける。冷たい冬の風だけど何故か暖かく感じた。夜…一戦を終えリビングで焼酎のお湯割りを飲んでいる。陽の携帯が鳴った。
”うん…幸せだよ。判った”
「母ちゃん…代わってくれって……」
”あっハイ…俺の方こそ陽に元気貰ってますよ。いえとんでもないです”
「宜しくってさ。俺の会社に入った事も喜んでたぞ。長距離は危ないし大変だからな」
「うん……」
「外の空気吸おうぜ」
「うん……」
ベランダに出た。しんとしている。
「陽…さっき幸せって言ってたけど……」
「あれは嘘っす」
「えっ……」
「ホントは最高に幸せなんだ。俺」
「バカヤロビックリしたぜ」
陽のおでこを軽く小突いた。
「陽……」
陽を抱き寄せる。唇を合わせた。薄く開いたところで舌を挿れる。舌が絡まり合った。舌を更に深く挿れる。陽の両腕が背中に回ってきた。濃厚なキッス。カラダが蕩けそうになる。永いキスが終わった。
「陽、愛してるよ」
「俺も、源太兄ちゃん愛してる」
またチュッとした。
「寝るか」
「うん」
翌朝。陽と俺は雄凱建設のマークが入った作業着を着ている。陽の初出社の日だ。
「出掛けるぞ」
「うん」
陽の表情が強ばっている。
「なに緊張してるんだ」
「うん…なんとなく……」
「心配するな。みんないい奴らだし、俺が付いてるんだからな」
ギュッと抱きしめてやる。強張りが少し取れていた。キュンキュンキュン陽太が走って来る。俺はしゃがんだ。
「行ってくるからな」
頭を撫でてやる。
「お留守番出来るよな」
クーンクーンクーンつぶらな瞳で俺を見る。
「行くぞ。陽」
「うん」
俺達を乗せたワゴン車は凱雄建設へ向かった。俺、陽、陽太。2人と1匹の生活は始まったばかりだ
。色んな事が起きると思う。陽と陽太は必ず俺が守る。今一度心に誓った。助手席の陽を見る。強
張りが消え、輝かしい表情を浮かべていた。
「陽、頑張れよ」
「うん」
俺と陽と陽太。俺達の未来へ向かって走り続けるだろう。いや必ず走り続ける。

REAL PORNO 3

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[ 2015/01/25 21:21 ] トラック野郎 | TB(-) | CM(0)

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