2ntブログ















トラック野郎⑧

2人の新たな時が刻み始める。陽が越してきた。入籍も済ませる。笹川陽が大塚陽に変った。
冷水でカラダを清める。真っ新な白を締め込む。紋付袴を身に纏った。
「出掛けるぞ」
「うん……」
行ったのは小さな祠。
神社 (6)
あまり知られてないパワースポットだ。祠の前で合掌する。震える手で指輪を交換した。刻印はAmor eterno…永久の愛。優しく唇を合わせた。
眩いばかりの陽光が助手席に座る陽を照らしている。光が反射して陽の顔が輝いて見えた。家に帰りどファーでイチャイチャしてる。インターホンが鳴った。
「あっ今開けます」
頼んでおいたミックス犬が届いた。マルチーズとシーズーのミックス犬。俺達の長男だ。
「陽、俺達の子供だぞ」
「うわっ凄ぇ…可愛い」
「お前さ…家に帰ると奥さんと子供が居て……そんな団らんな家庭を築くのが夢だったんだろ。犬好きだって言ってたし思い切って買ったんだ」
「うん、嬉しいっす」
「名前は陽太でどうだ。陽の陽と源太の太でさ……」
「うん、いいっす」
はしゃぐ陽太。キュンキュンキュンと可愛い哭き声を上げる。俺達の回りを走り回った。日が傾き始める。茜色の空が広がった。
「飯の用意するぞ。手伝ってくれよ」
「うん」
並んでキッチンに入った。俺の隣では陽が野菜の皮を剥いている。ただそれだけのこと。だけどこの上ない幸せを感じた。テーブルに並んだのは大根とスモークサーモンのオードブル、お祝いサラダ、鯛の塩焼き、赤と白の餅米で周りを覆った肉団子、エビの酒蒸し。小さなウエディングケーキも作った。
「陽、陽太にご飯やってくれ」
「うん」
クーンクーン…甘え声を出しながら陽太はご飯を食べている。俺と陽はテーブルを挟み向かい合って座った。シャンパンの栓が抜かれる。グラスに注ぎあった。
「陽…これからも宜しくな」
「うん、源太兄ちゃん。俺尽くすからさ」
料理を食い酒を飲む。2人だけの披露宴がゆっくりと進行された。満腹になった陽太は犬用ベッドで眠っている。
「新郎と新郎の始めての共同作業です」俺が声にした。ケーキに火を灯し部屋の照明を落とした。リボンのついたナイフを2人で握った。
「ケーキ入刀です」陽と視線がぶつかった。ちっちゃなケーキにナイフが通る。また照明を灯した。キュンキュンキュン…眠っていた陽太が目覚めると俺達の回りを駆け出した。気付くと携帯に夥しい数のメールが入っている。会社の連中からだ。
「陽…お祝いメールが一杯きてるぜ」
「あっ凄ぇ……」
その中の一通。柴田からのメール。”おめでとう。激しい初夜をお迎えください”
「やるか…」
「うん」

ノンケ体育会寸止め地獄

ノンケ体育会寸止め地獄


Gweblog - ゲイウェブログ -
エログ-(エログランキング)SGLRにほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ
にほんブログ村

[ 2015/01/25 21:33 ] トラック野郎 | TB(-) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する