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陽春の光①

俺真田康生38歳今”隠れ家”と言う通販会社の社長をしている。取扱い商品はアダルト&SMグッズ、メンズ、レディスの下着。も扱っている。そしてアダルトDVD。一部ゲイ物も置いている。社長と言っても俺を含めて僅か12人の会社だ。社長業はホンの僅かで何でもやらなければならない。俺の事はボスと呼ばせている。営業してるのは街外れの雑居ビルの12階。忙しいけど楽しくやらせて貰ってる。たったひとつの事を除けば……
そんな俺172㌢の身長の髭坊主。いわゆるガチムチと言われている。学生時代は空手に勤しんでいた。
性向はゲイ。残念ながら彼氏は居ない。季節は早春を迎えた。寒い日が続いている。内線28番のベルが鳴った。スタッフの陽菜が出る。塚田 陽菜28歳の独身。仕事は事務とホームページ更新だ。だが時間が空くと自ら色々作業を手伝っている。何でこんな業界に入ってきたか判らない。だが俺は助かっている。彼女が視線をぶつけてきた。
「ボス、管理会社の人がお見えです」
本木さんが声を上げる。俺は入り口迄行った。
「どうぞ。お入りください」
俺達はミーティングルームに入った。テーブルを挟み向かい合って座る。陽菜がお茶を出してくれた。何か嫌な予感がする。やはり稲川さんの事だった。稲川 冬華48歳独身、8箇月前からパート社員としている働いてる人だ。社内きってのトラブルメーカー。確か数回結婚に失敗したと聞いている。理由は知らないけど何となく頷けた。稲川さんを採用したのは俺。面接に来た時、冷酷な目に少し荒い言動だったのを覚えている。隠れ家は零細企業、扱い商材はアダルトだ。贅沢は言ってられない。2人の募集に応募は僅か4名。其の内2人は面接の時辞退した。仕事は多忙。ネコの手も借りたかった。それに俺はこの人を変えられる。妙な自信が合った。だが今は後悔している。彼女を変えて上げられなかったことを……
ミーティングルームに稲川さんを呼んだ。今テーブルを挟み向かい合って座っている。俺は稲川さんに視線を飛ばした。
「稲川さんまたクレームです。もうこれで6回目ですよ」
視線が交差する。嘲り笑った態度に苛立ちを感じた。
「昨日リラクゼーションルームでトラブル有ったみたいですけどその被害者の方とそれを見ていた方2人から同じ内容のクレームが上がってます。皆さん口を揃えるようにああいう事は無くしてほしい。凄く怖かったって言ってるようです」
「被害者ってあれは一方的に向こうが悪いんです」
俺の言葉に稲川さんが言い放った。
「そのセリフ聞き飽きました。私が管理会社さんより聞いた状況があなたの方が悪いみたいですけどね」
「そんな事は有りません。私は悪くありません」
俺の言葉に稲川さんが応える。瞳の奥から濁った光が見えた。
「じゃぁ先方の方が悪いから罵声を上げたんですね」
「ば、罵声なんて……」
俺の言葉に稲川さんは声を返してくる。表情は更に険しくなっていた。
「先方の方はそう捉えているようです。見ていた2人の方も同じようにおっしゃっているようですよ。やはり罵声でしょうね。心折れたって言ってるそうです。暴力振るったら駄目ですよ」
「暴力なんて振ってません」
俺の声に稲川さんは応える。威圧的な目で俺を見てきた。
「振ってます。言葉の暴力をね」
俺は強めの口調で言い放った。
彼女は目を剥き出し、両手を握りしめている。カラダをプルプルと震わせていた。
「このビルでは大勢の人が働いています。他社の方との接し方は注意してください。一歩引く位で丁度良いです。トラブルだけは避けてくださいって何度もいいましたね」
「ハイ」
俺の言葉に稲川さんはぶっきらぼうに応える。鋭い視線を浴びせてきた。
「謝罪しに行きませんか。私も同行しますから……」
「行きません。私は悪い事は一切してませんから……」
彼女はふて腐れたような口調で言い切った。
「そうですか。残念です。貴女がきちんと反省して謝罪の気持ちが有るなら考えようと思ったのですが約束を実行させて貰います」
彼女は訝しげな視線を送ってきた。
「私との約束覚えてますか」
「覚えてません」
俺の言葉に稲川さんは鋭い声を返してきた。
「もし今度やったら辞めて貰うという事です」
「いいえそんな事言ってません」
俺の言葉に稲川さんは言い切る。唇がプルプル震えていた。
「そうですか」
俺がぽつりと声にする。書いてもらった念書をみせた。
「1か月後に辞めて貰います」
俺はきっぱりと言い切った。
「判りました」
彼女はぶ然とした態度でミーティングルームを出て行った。2週間程経過する。稲川さんは有給の消化に入った。空は重たい雲で覆われている。
曇天 (4)
稲川さんが隠れ家を去る日を迎えた。
「ボス、チョッとご相談あるんですが……」
「何ですか」
俺達はミーティングルームに入った。テーブルを挟み、向かい合って座る。稲川さんは何時になく謙虚な表情を浮かべていた。
「私が辞めた後の後任にうちの息子使って頂けないでしょうか」
稲川さんが俺を直視してくる。瞳の奥から鋭い光が見えた。
「息子と言っても亡くなった主人の連れ子なんで私とは血、繋がってませんし性格も真逆です。会うだけでもお願い出来ませんか。ただニートなんです」
「ニートですか」
稲川さんの声に俺は応える。ニートのことは良くは知らない。それに加えて彼女の息子だ。不安を覚える。稲川さんは何時真剣な目をしていた。
「判りました。お会いしましょう」
俺は面接を承諾した。
 4日間経過する。時刻は1時30分に迫っていた。窓から望める初秋の空。水色に輝いている。内線28番のベルが鳴った。
「ボス、面接の方が見えました」
「判った。ミーティングルームに通してくれ」
陽菜の声に俺は応える。ミーティングルームに入ると1人の青年がチョコンと座っていた。青年が立ち上がる。俺に会釈してきた。俺は青年の向い側に座り、履歴書を拝見する。高岸 侑吾君26歳。苗字が違う。稲川では無かった。
「稲川じゃぁ無いんだな」
俺がぽつりと声にした。
「ハイ、5年前に再婚したんですけど2年前父が他界すると離婚しましたから……今は一緒に住んでるんですけど……」
人には色々事情が有る。この時、特には気にはならなかった。高校を卒業、昨年建設会社を退職。其の後は転々としている。何故か聞いてみた。中々人に馴染めないらしく口数も少ないと言う。誤解されやすくそれが原因で苛められることが多かったと聞いた。少しオドオドした所があるが俺の質問に的確に答える。俺のイメージするニートとはちょっと違っていた。会社の概要を説明する。仕事の内容、取扱い商材の説明をしていると目が輝いてきた。
「高岸君、商材は今説明した通りでアダルトグッズばかりで友達とかにはこんな仕事してるとは言い難い物ばかりだ。やる気は有るかな」
「ハイ、おっ俺、興味あります。是非やらせてください」
話す言葉は巧みではない。でも何かを伝えようとする一生懸命さを俺は感じた。取あえずバイトとし採用することにした。ガタイはしっかりしている。身長は俺と同じ位で多分170㌢前後に見えた。髭は濃く髭剃り跡が青々としている。眼差しは汚れがなく純真な子供のように見えた。
「高岸君、頭髪は個人の自由だけど男は短い方がかっこいいぞ」
「あっそうっすか」
俺の言葉に高岸君が応える。瞳の奥から柔和な光が見えた。稲川さんと高岸君は血縁は無い。だが親子関係が有った。偏見を持たれても困る。スタッフには丁寧に説明しておいた。

絶倫大魔王

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クロデンマ3

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ノンケ体育会OBデカマラ獣

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[ 2017/04/09 14:08 ] 陽春の光 | TB(-) | CM(0)

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