2ntブログ















宮内家の小悪党共⑧

 目の前に純和風の家現われた。空を見上げると穏やかな光が射している。
春の陽光 (2)
俺はインターホンを鳴らした。
「あっ先輩いらっしゃい。下話はしてあるからさ」
「判った」
篤雄の言葉に俺は応える。茶の間へと通された。座卓に目を遣る。ご両親と若い夫婦が座っていた。
「竜造寺さん久しぶりだな」
篤雄の父さんが声を上げる。俺は驚愕した。
「あっ香月さん、その節はお世話になりました」
「まあ掛けてくださいよ」
俺の言葉に篤雄の母さんが声を返した。柔和な笑顔を浮かべている。俺と篤雄が席に着いた。あれは3年余り前。俺の作った指物の茶箪笥等を購入して貰った。
「こいつらは篤雄の兄夫妻だよ」
「初めまして兄の裕樹です。こいつは嫁の純子です」
篤雄の父さんの声に裕樹さんが応える。傍らに居る純子さんが会釈した。
「こいつがゲイだって聞いた時は驚いた。だがこいつが其れで幸せになるならと思ったよ。なあ母さん」
篤雄の父さんが声にした。
「それにお相手は竜造寺って言う指物師って聞いたから、もしかして貴方かなってね」
篤雄の母さんが言葉にする。目が細くなっていた。
「あっこれお土産です」
俺が声にする。お土産を篤雄の父さんに手渡した。
「男同士だけど結婚みてぇなもんだろ。これからは香月家と竜造寺家は親戚だな。宜しく頼むぜ」
「こちらの方こそ宜しくお願いします」
篤雄の父さんの声に俺は言葉を返した。
「純ちゃん酒の用意してくれ」
「ハイ判りました」
篤雄の父さんの声に純子さんが応える。茶の間を出て行った。程なくして純子さんが戻ってくる。ぐい飲みに酒を注ぎ合った。
「竜造寺さん、篤雄おめでとう。幸せになれよ」
篤雄の父さんが声を上げる。ぐい飲みが触れ合った。俺のお客様の香月さん。俺の作品を気に入ってくれてるファンでもある。その人達と祝いの杯を交わした。
「父さん真須美さんとの時は色々問題が有ったし式も挙げてないだろ。今度は身内だけで良いから挙式と披露宴をしてやったらどうだろう」
「そうだな。竜造寺さん篤雄の元嫁のご両親の事聞いてるのか」
裕樹さんの声に篤雄の父さんが応える。俺の問うてきた。
「うん、知ってます」
俺は応えた。
「それに真須美さんの兄貴も悪で鑑別所に入ってたんだ」
篤雄の父さんが応える。言葉に怒気が含まれていた。
「出来ちゃった婚だから仕方ないかも知れんけど俺達は大反対だったんだ」
篤雄の父さんが言い放った。
「なあ竜造寺さんいいよな。身内だけでもキチンと祝ってやりたいんだ」
「判りました。俺の両親はもう他界してるし兄妹も居ないんで香月さん達祝って貰えるんなら俺の両親も喜んでくれると思います」
篤雄の父さんの声に俺は言葉を返した。
「そうか。じゃぁ決まりだな。何処かのレストランでもするか」
篤雄の父さんが声にした。俺の脳裡を過ぎる。それは倭六家だ。俺と篤雄の関係を作り上げてくれた店。贅を尽くした和の空間を見せたかった。だが倭六家はゲイが集まる六尺バー。俺は葛藤する。だが高尾さんは凄腕の料理人だ。俺と篤雄の事を受け入れてくれた香月家。俺は思い切ってみた。
「それなら腕の良い職人がやってる店あるんですけど……但しゲイ専用の店です。日曜日が休みだから多分頼めばやってくれるかと思うけど……」
「別に構わねぇけどな」
俺の声に篤雄の父さんが言葉を返してきた。俺は高尾さんに電話する。スマホの送話口を押さえた。
「再来週の日曜なら良いみたいですけどそうします」
「じゃぁ其処でやるか」
俺の声に篤雄の父さんが声をあげる。2週間後の日曜俺達の挙式披露宴が決まった。11日経過する。早朝から篤雄の転居が始まった。どうにか昼下がりに終わる。俺達は両親の墓へと向った。お墓を綺麗に掃除する。花を活けた。お線香を上げ、合掌する。俺は篤雄と所帯を持つことを報告した。日曜日を迎える。カラダを清めを締め込んだ。紋付、袴を身に着ける。俺達は倭六家へと向った。時刻は11時を回っている。初夏の陽射しが俺達を照らしてきた。倭六家の引き戸を開ける。天井から吊るされた組子の照明が穏やかな光を放っていた。
「高尾さん今日は宜しくお願いします」
「ああ任しとけ、腕に縒りをかけたからな」
俺の声に高尾さんが応える。壁に掛けられていた男絵は外されていた。カウンターの隅にはスターチスの花が活けられている。花言葉は変わらぬ心だと言う。4人掛けのテーブルが2つくっつけられている。三つ重ね盃等がが並べられ、会場の準備が整われていた。高尾さんと健志も参加してもらう事になっている。俺の身内みたいなものだから……
「着替えるぞ」
「うん」
高尾さんの声に健志が応える。ロッカー室に消えた。程なくして戻ってくる。礼服を身に纏っていた。時刻は12時に迫っている。香月家の面々が現われた。篤雄の母さんは留袖、純子さんはパーティー
ドレスを着ている。篤雄の父さんは紋付、裕樹さんはタキシードを身に纏っていた。
「今日は宜しくお願いします」
「こちらの方こそ宜しくお願いします。ご一緒させてもらえることを心から感謝しております」
篤雄の父さんの声に高尾さんが応える。純子がキョロキョロしていた。
「凄い素敵なお店ね」
純子さんが声にする。俺達は席に着いた。
「只今より、省太と篤雄の同棲の儀を執り行う。両名は証明書に署名してください」
高尾さんが低い声を上げる。俺と篤雄は頷いた。結婚証明書に署名する。三々九度を済ませた。其々の盃に酒が注がれる。俺達は一気に呑み干した。
「俺と母さんからだ」
篤雄の父さんが声を上げる。俺に小さななケースが渡された。開けると2つのマリッジリングが入っている。Ageless love(永遠の愛)と刻印されていた。
「おっお義父さん」
俺は声を上げる。篤雄の父さんが頷いた。俺は篤雄の左手を取る。薬指に指輪を嵌めた。今度は俺の左手が篤雄に取られる。俺は指輪を嵌められた。
「省太、篤雄立ち上がれ」
「えっ……」
高尾さんの言葉に俺と篤雄の声が重なる。訳も判らず俺達は立ち上がった。
「永久の愛の証にキッスしてください」
高尾さんが声を上げた。
「判ったぜ」
俺が声にする。篤雄を抱き寄せた。唇を合わせる。静かに離した。拍手が湧き起こる。ほっこりした気持ちに成った。
「引き続き披露宴を執り行います」
高尾さんが声を上げた。真ん中に小さなウエディングケーキが置かれる。その回りにも盛り沢山の祝いの料理が並べられた。
「新郎達による初めての共同作業です」
高尾さんが少しおどけて声にする。俺達はケーキに入刀した。拍手が湧き起こる。グラスにビールを注ぎ合った。「省太君、篤雄おめでとう」
篤雄の父さんが声を上げる。グラスがカチンカチンと触れ合った。料理を食べ始める。みんなが笑顔を浮かべていた。
「凄く美味しい。このお肉柔らかくて口の中で蕩ける」
純子さんが声を上げる。目が輝いていた。酒を注ぎ合い、料理を食べる。其々が少し酔ってきた。
「なあ高尾さんと健志君もそうなのか」
「裕樹、止めなさい」
裕樹さんの言葉を篤雄の母さんが制した。
「構わないですよ。そうっす。一緒に住んでますよ」
高尾さんが言い切った。ゲイに偏見が皆無の香月家の面々。和やかに宴が進んだ。何時の間にか高尾さん達と香月家の人達が仲良くなっている。色んなサプライズの有った宴が終わった。
「じゃぁ俺達はそろそろおいとまするな。高尾さんに健志君旨い料理ありがとな」
「とんでもないです」
玄関迄見送る。香月家の人達が帰路に就いた。

巨根力 男性用クリーム

巨根力 男性用クリーム


コックスプリット アネックス

コックスプリット アネックス


男乱舞 おとこみだれまい

男乱舞 おとこみだれまい


Gweblog - ゲイウェブログ -
エログ-(エログランキング)SGLRにほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ
にほんブログ村
[ 2017/05/04 17:20 ] 宮内家の小悪党共 | TB(-) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する