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刺客①

 俺は影浦 祐輔32歳の髭坊主で身長168㌢のガチムチ体型。学生時代は柔道をやっていた。仕事はスポーツメーカーに勤務している。今年の4月に結婚した。今新婚3箇月。でもラブラブではない。ハッキリ言って後悔している。俺の嫁亜紀32歳、極度のメシマズ 。焦げすぎの焼き魚、火が通ってない肉は当たり前だ。基本が出来てないのにアレンジは好きらしい。亜紀の実家に抗議した事がある。亜紀の親父っさんに罵られるだけだった。嫁の飯食えるだけありがたいと思え。このボケと亜紀の親父っさんに言われた。ヒステリックな亜紀。何度か話し合った。ヒスる。ヒスる。罵倒されるだけだった。勿論その内容は録音している。夫婦の行為はレス。もう1箇月になる。元々付き合ってる頃から回数は少なかったが……今、俺は思う。俺は女を見る目が無かったと……季節が巡る。晩夏を迎えた。夏の緑の色が褪せている。ブラブラ散歩してる時だった。
「先輩、影浦先輩」
男が声を上げる。視線が交差した。
「あっ青柳か」
男が声を上げる。男が頷いた。
「久しぶりだな」
「そうっすね」
俺の声に青柳が応える。青柳 賢悟30歳、柔道部の後輩。階級は俺と同じ66㌔級だ。
「髭生やしたんだ。一層男臭くなったな」
「先輩の方こそ、男臭さ増しましたね」
俺の声に青柳が応える。坊主頭に日焼けした肌。爽やかな笑顔を送ってきた。
「時間あるならお茶でもするか」
「いっすね。其処のカフェ行きましょうか」
俺の言葉に青柳が応える。俺達はカフェに入った。今テーブルを挟み向かい合って座っている。其々の近況を話した。青柳は来月いっぱいてリストラされると言う。俺は結婚した事を伝えた。実情は言わなかったが……連絡先を交換。その日はそれで別れた。時が流れる。初秋を迎えた。改善されない亜紀のメシマズ 。昨日も話し合ったが結局罵倒されて終わった。そんな或る土曜日。亜紀は外出した。やけにお洒落している。俺は或る疑念を感じた。夫婦の営みは相変わらずレス。もしかしたら浮気しているのではと……亜紀のクローゼットを開けてみた。高そうな服、靴、バック。一番下の引き出しを開ける。奥の方に有った小箱。1枚のSDカードを見つけた。パソコンで再生してみる。数枚の画像と動画。亜紀の不貞の証拠が見つかった。だが誰なのかは分からない。パソコンとスマホにコピーしてSDカードを戻した。俺の婚前の通帳を見てみる。残高が半分になっていた。どうする俺。青柳にメールしていた。直ぐにきた返信。俺達は翌日落ち合う事になった。場所はこの前のカフェ。今テーブルを挟み向かい合って座っている。俺は数枚の画像を見せた。
「こいつダチっす」
「えっ」
青柳の声に俺は応える。俺は驚愕した。
「会えるのか」
「連絡してみます」
俺の声に青柳が応える。青柳が電話していた。
「今、来るそうです。でも浮気するような奴じゃないっすよ。凄ぇ誠実だし……そう言えば新しい彼女が出来たって言ってた」
「そうなのか」
青柳の言葉に俺は応える。程なくして男が現れた。
「申し訳ございません」
男が声にする。いきなり土下座した。
「旦那様が居るとは知りませんでした。でも不貞したのは事実です。どんな制裁でも受けます」
男が声を上げる。回りの客達が注目し始めた。
「頭を上げて座ってください」
俺が声にする。男は青柳の隣に掛けた。渡された名刺。男の名前は鷹宮 和也、製造会社の管理主任をやってるみたいだ。ガッチリしたガタイの髭坊主。背丈は俺と同じ位に見える。出会いは逆ナンと聞いた。付き合い始めたのは今年の6月からだと言う。夫婦の行為がレスになった辺りだ。
「携帯見せて貰っていいですか」
「ハイ」
俺の声に鷹宮が応える。スマホのロックを解除して渡された。メール、LINEをチェックする。亜紀が独身だと思ってたのは事実みたいだ。
「何でも協力してくれますか」
「勿論です」
俺の声に鷹宮が応える。こいつも被害者。だから制裁はしない。俺は深慮した。青柳も鷹宮も離婚したと言う。青柳の離婚理由は奥さんの不倫。鷹宮の離婚理由は種無しだからと聞いた。鷹宮の離婚は今年の陽春。へこんでた時に亜紀にナンパされたらしい。鷹宮の目。悲哀に満ちていた。
「俺と遇ったことは内緒にしとけよ。会うのは適当な理由つけて断っておけ」
「ハイ、分りました」
俺の声に鷹宮が応える。俺達3人はタッグを組んだ。初秋の空。霞み雲がかかっている。俺は体調不良の為病院行きとなった。談論する俺と亜紀。だが罵られるだけだった。無言で家を出た亜紀。時刻は11時を回っている。亜紀の親父っさんから電話が有った。浴びせられる罵倒。一旦電話を切る。青柳に電話した。
”突撃っすね。いっすよ”
”とりあえずメシマズの方だけな”
青柳の声に俺は応える。心強かった。改めて亜紀の親父っさんに電話。翌日亜紀の実家に行くことにした。その日の主菜ハンバーグ。何時ものように火が通っていない。悲惨なのがソース。柿をベースにイチゴジャムとマーマレードが入ってると言う。ソースを少し舐めたが、後は口を付けなかった。情けない。涙が出てくる。俺は嗚咽した。日が開ける。俺と青柳は亜紀の実家に向った。
「先輩、俺奥さんに料理教えましょうか。飲食店でバイトしたこと有るんで、ある程度は出来ますから」
「そうなんだ」
青柳の声に俺は応える。邪な考えが脳裏を過った。
「状況によったら頼むよ」
「いっすよ。今就活中で時間結構有りますから……」
俺の声に青柳が応える。車を転がすこと40分。亜紀の実家に着いた。
「まあ、入れ」
亜紀の親父っさんが声を上げる。俺達は居間に通された。居たのは亜紀の両親と兄の浩一君、それに妹の沙羅ちゃん。説教タイムが始まる。小馬鹿にする俺。気の無い返事を返した。
「聞いてんのか。おら」
亜紀の親父っさんが声を張り上げる。親父っさんが立ち上がった。俺に向かってくる。俺も立ち上がった。親父っさんが殴り掛かってくる。俺はかわした。足払いを掛ける。親父っさんは仰向けに倒れた。
「おっさんよ。冷静に話そうぜ」
俺が低い声で言う。俺は拳を振り上げた。
「うりゃー」
俺が声を張り上げる。親父っさんの股間目掛けて拳を振り下ろした。寸止めする。親父っさんは失禁した。
「この野郎」
「いいから着替えてこいよ」
親父っさんの声に俺は応える。今を出て行く親父っさん。程なくして戻ってきた。今座卓を囲んでいる。俺は昨日の料理を座卓の上に置いた。
「食べてみてください」
俺が声をあげる。亜紀の両親が涙浮かべながら食べていた。
「ひ、酷すぎる」
沙羅ちゃんが声を上げる。何処かへ駆けて行った。
「不味い。食いもんじゃねぇ」
浩一君が言う。居間を飛び出した。時が僅かに経過する。再度座卓を囲んだ。
「これを聞いてください」
俺が声を上げる。録音データを聞かせた。
「健康被害を起こしてます。それにヒス。もう離婚しかないですね」
俺が声を上げる。傍にいる亜紀は俯いていた。
「1個月猶予ください。基本から教えます」
「分かりました。ではこいつと料理バトルしましょうか。俺の後輩の青柳です」
お袋さんの声に俺は応える。亜紀の両親に目を遣った。
「分った。亜紀が勝ったら離婚無しだな」
「そうですね」
親父っさんの声に俺は応える。お袋さんが頷いた。
「帰るぞ」
俺が声にする。青柳が頷いた。
「娘が可愛いのは分かるけど、状況確認せずに怒鳴り込んでくるのはどうかど思うぜ」
俺が声を上げる。俺達は亜紀の実家を後にした。
「晩飯作らせてくださいよ」
「おお楽しみだな」
青柳の声に俺は応える。俺達を乗せた車は帰路に就いた。今俺達はキッチンに並んで立っている。青柳に目を遣った。
「何すれば良い」
「野菜洗って皮剥いてくれますか」
俺の声に青柳が応える。何かこの瞬間が嬉しかった。
「もう後大丈夫なんで寛いでいてくださいね」
「ああ分かった」
青柳の声に俺は応える。ドリップ珈琲を淹れてくれた。口に運んだ珈琲。コクがあって美味かった。同じ豆なのに……料理が出来上がった。メニューは昨日と同じ。ハンバーグを食べる。肉汁が口の中に広がった。
「美味いよ」
俺が声を上げる。涙がポロポロ零れ落ちてきた。芯のない白飯、美味い料理そして味のある味噌汁。悦びが湧き上がってきた。
「これから毎日来ますね」
「ありがとう」
青柳の声に俺が応える。俺は心から感謝した。青柳は朝来て晩には帰る。炊事、掃除、洗濯。家事を熟し、弁当まで作ってくれた。ピカピカに輝いている俺のマンション。洗濯物は綺麗に畳んでくれてる。勿論俺も手伝うが……俺が描いていた家庭だ。夜1人になるとちょびっと寂しい。何時の間にか病んでいた俺の心が癒された。ただと言う訳にもいかない。お金を払うと言うと怒られた。だだ食費だけは多めに渡している。残ったら小遣いにしろと伝えた。季節が巡る。本格的な秋を迎えた。街路樹の銀杏の木が黄色く輝いている。
秋 (1)
今日は料理バトルの日。食材を買い揃えレンタルキッチンスタジオへ向った。取り仕切ってくれるのは洋食処 駒木家のシェフ。駒木家は繁盛店でテレビの取材も受けたことがある。この店沙羅ちゃんも浩一君も常連だ。参加するのは俺と亜紀の両親。俺の姉と兄、それに沙羅ちゃんと浩一君だ。時刻は11時に迫っている。みんなが集まった。浩一君と沙羅ちゃんが駒木さんに挨拶を交わしている。俺も挨拶を済ませた。亜紀と御両親に目を遣る。蒼白になっていた。
「それではこれから始めます。既にお伝えした通りメインディッシュはビーフシチュー、副菜は何でも構いません。そこにある食材でご自由に作ってください。制限時間は1時間30分、使える調理器具は包丁のみです。それでは始てください」
駒木さんが声を上げる。料理バトルが始った。この勝負の勝敗は目に見えてる。余程のアクシデントが無い限り青柳が勝つ。1部の人しか知らない事がある。大きなドラマの幕が上がった。

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[ 2018/10/07 21:18 ] 刺客 | TB(-) | CM(0)

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