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切子の家①

 俺は武蔵 湧一31歳。店舗付き住宅を買い、リフォームをした。切子の家”湧”と言う店を4ヶ月前から営んでいる。場所は郊外の裏通り。何度か賞を頂いた。その為か馴染客も結構ついている。特注も数多い。悪い立地。でも足を運んでくれる。湧は江戸切子の店。グラス、花瓶、徳利等の製造販売をしている。1階がカウンターに囲まれた工房。カウンターの下はショーケースになっている。工房の中に設置された小さな流し台。お客様用のお茶の準備している。3台分の駐車場。店舗の傍らには4人掛けのテーブルセットが置いてある。それに広めのリビング。オープン型キッチンが隣接している。2階に有る10畳程の主寝室。他に2つの居室が備えられている。趣味はジム。ガタイを鍛えるのが好きな筋肉バカだ。身長172㌢の髭坊主。性向はゲイ。女性経験も僅かだがある。だが好きに成れなかった。良く可愛い女の子が好きだと言う奴が居る。だが俺は違う。男の方が可愛い。今通ってるのは駅前のジム。其処で高校の同級生と出会った。板東 拳吾身長は俺と然程変わらない。だが筋肉の層の厚さは俺より強靭だ。拳吾は俺と同じ髭坊主。笑顔、仕草が無茶苦茶可愛い。仕事は建設会社の総務部だと言う。拳吾の家と俺の店は徒歩10分の距離らしい。あちこちで早春の芽吹きを感じる。
春の芽吹き (31)
そんな或る日、拳吾がお子さんを連れて店に訪れた。
「よお」
「おお」
拳吾の声に俺は応える。柔和な笑顔を浮かべていた。
「小父ちゃんにご挨拶は」
「こんにちは、ば、板東 洋太です」
拳吾の声に洋太君が答える。4歳で幼稚園に通ってると聞いた。
「へぇ色々有るんだな」
拳吾が声にする。ロックグラスを見ていた。
「これ貰おうかな」
「ありがとうございます」
拳吾の声に俺は応える。グラスを渡し、料金を受け取った。
「お茶淹れるな」
「あっ悪いな」
俺の声に拳吾が応える。拳吾親子を椅子に座って貰った。今、テーブルを囲んでいる。クッキーを食べる洋太君。顔が綻んでいた。
「美味しいか」
「うん凄く美味しいよ」
拳吾の声に洋太君が応える。洋太君の頬に微笑みの渦が漂っていた。
「一応手作りなんだ。商談の時お出しするんだよ」
「そうなんだ。凄ぇなお前」
俺の声に拳吾が応える。穏かな笑顔を浮かべていた。
「あんまりお客さん来ねぇんだな。大丈夫か?」
「一見さんは余り来ねぇよ。殆ど馴染み客で特注が多いんだ」
拳吾の問いに俺は答える。俺は立ち上がった。工房にはいる。直ぐに戻って来ると、椅子に掛けた。
「これ上げるな」
「ありがとうございます」
俺の声に洋太君が応える。洋太君の目がキラキラ輝いていた。洋太君に渡したのは子供用のコップ。拳吾が俺に目をくれた。
「良いのか」
「試作品なんだ。これから子供用も作ろうと思ってさ」
拳吾の問いに俺が答える。程なくして拳吾親子は帰って行った。数日が経過する。常連の山田婦人と商談中に妙齢の女性が来店した。
「いらっしゃいませ」
俺が声を上げる。女性がニコニコしていた。
「何か試作品呉れるって話だから、貰って上げるわよ」
女性が声を張り上げる。身震いするような声だった。
「申し訳ないですが、常連様にお配りしたので、御座いません」
俺が言う。女性が俺を睨み付けてきた。
「ずるい。洋太には渡して……」
「もしかして洋太君のお母様ですか」
女性の声に俺が応える。洋太ママが頷いた。子供に嫉妬する親。俺は呆れた。
「あっじゃぁお菓子もあるらしいから食べて上げる。それにお茶はアップルティね」
洋太ママが声を張り上げる。言葉を返せない。俺は黙殺するしかなかった。
「貰って上げるのよ」
洋太ママが逆切れする。この時山田婦人が切れ、洋太ママを睨み付けた。
「恥を知れ。お前は物乞いか。私のお菓子をやる」
山田婦人が怒鳴る。ワッフルを放り投げた。洋太ママがそれを拾う。何かを喚きながら出て行った。
「じゃぁこれでお願いしますね」
「かしこまりました」
山田さんの声に俺は応える。山田さんが店を後にした。居るのねあんな人と言葉を残しながら……クレクレママ。聞いた事がある。俺が遭遇するとは思わなかった。拳吾にメールする。この事を伝えた。時刻は午後7時で閉店の時間。シャッターを下ろそうとしてる時、拳吾が見えた。
「湧一、済まねぇ」
拳吾が声にする。奥さんの事だと思った。
「まあ座れよ」
俺が声にする。拳吾が腰掛けた。珈琲とワッフルをテーブルに置く。俺も席に着いた。拳吾が奥さんの事を語り始める。表情が強張っていた。色々問題を起こしてると言う。家ではヒス。家事、育児も殆どしないと言う。俺は何となく解った。
「厚かましいのは分かってる。相談なんだけと……」
拳吾が声にする。その表情は悲壮感漂っていた。
「女房の事、洋太が怖がっているんだ。幼稚園終わったら此処で預かってくれないか。バス停目の前だから大丈夫だと思うんだ。俺迎えに来るからさ」
「分かった。良いよ」
拳吾の声に俺は応える。拳吾が俺に目をくれた。
「託児料は幾ら払えばいい」
「要らねぇよ」
拳吾の問いに俺が答える。拳吾の顔付きが父親になっていた。少し語った昔話。拳吾の表情が柔らかくなっている。拳吾は家路に就いた。家や木立が午後の日陰を作っている。洋太君が見えた。
「小父ちゃん」
洋太君が声を上げる。健気な表情を浮かべていた。
「おいで」
「うん」
俺の声に洋太君が応える。リビングに通した。おやつと適当に買ったオモチャを与える。サブレを食いながら浮かべる洋太君。凄く可愛く見えた。
「あっち行ってるからな」
「うん」
俺の声に洋太君が応える。新たな洋太君との暮らしが始まった。洋太君を預かるようになって2週間程経過する。おもちゃとか絵本なども増えた。何時の間にか俺は洋太と呼び捨ててる。俺に懐いている洋太。心の中に喜びが沸いた。拳吾が時々土産を買ってくる。それだけで十分だった。時が僅かに経過する。事件が起きた。陽が西の空に傾いている。1台の赤い車が店に突っ込んできた。俺は驚愕する。運転するのは洋太ママだった。リビングで遊んでいる洋太。騒ぎに気付き俺の傍らにいる。車のドアがどうにか空いた。洋太ママが出てくる。多分だけど身体は大丈夫そうだった。
「ママ……」
洋太が声にする。洋太ママが何故か俺を睨み付けてきた。
「私は悪く無い。此処に店があるから悪いんだ」
洋太ママが甲高い声で喚く。洋太が明らかに怯えている。警察の現場検証、聴取。洋太ママは連行された。夕陽が家々に触れている。拳吾が訪れた。連絡を貰い早退したと言う。土下座して俺を見上げてきた。
「申し訳ございません」
拳吾の声。床に頭を擦り付けている。何故か怒りは無い。虚しさだけが残った。
「拳吾が悪い訳では無いよ。頭上げてくれよな」
俺がいる声にする。頭を上げた拳吾。額が赤くなっていた。破壊されたウインドウ。拳吾の会社の手配で直ぐに復旧出来た。今、通常営業している。そんな或る日洋太を迎えに拳吾が見えた。
「パパ……」
洋太が声を上げる。拳吾が洋太に目を遣った。
「小父ちゃんに大事な話があるからそこでもう少し遊んでなさい」
「うん」
拳吾の声に洋太が応える。テーブルを挟み拳吾と向かい合って座った。
「これ少しだけど今俺に出来る精一杯の気持ちだ」
拳吾が声にする。多分現金だと思う。分厚い封筒を渡された。
「要らねぇよ。店も直して貰ったしさ」
「でも俺の気が済まねぇよ。じゃぁ何か欲しい物プレゼントさせてくれよ」
俺の声に拳吾が応える。俺達の視線が交差した。
「何欲しいんだ」
拳吾が言う。脳裏に邪な考えが過った。
「お前が欲しい。俺はゲイ。拳吾を抱きたい」
俺がちっちゃい声で言う。明らかに拳吾は戸惑っていた。
「考えて置く」
「うん」
拳吾の声に俺は応える。拳吾は洋太を連れて店を後にした。未だに拳吾の奥さんはお菓子だとか試作品を上目線請求してくる。頭の構造が分からなかった。あれはたまたまだと思ってる。子供用を作る1つの過程だから……拳吾に告って数日が過ぎた。時刻は午後7時に迫っている。拳吾が洋太君を迎えに来た。
「後で来るよ。メールする」
「分かった。脇の玄関のインターホン鳴らしてくれよ」
拳吾の声に俺は応える。多分あの事だと思う。心が弾んだ。シャッターを下ろし閉店する。風呂に入り、夕飯を済ませた。食器を小洗いする。食洗機に入れ、スイッチを点けた。スマホがメール着信を知らせる。拳吾からだった。
”これから行く”
”了解”
俺は返信した。おかしな興奮を覚える。濡れてきた。インターホンが鳴る。玄関ドアを開けた。困惑の表情を浮かべ拳吾が立っている。俺はリビングに通した。
「ソファーに座ってくれよ」
「うん」
俺の声に拳吾が応える。バーボンと摘みを用意した。リビングに持って行く。拳吾の隣に座った。
「どうぞ」
「うん」
拳吾が声にする。拳吾が水割りのグラスを傾けた。
「俺、離婚する。もう我慢出来ねぇ。弁護士にも相談しているんだ。親権も取る」
「そうか。俺もその方が良いような気がしてたんだ。あの性格じゃなぁ」
拳吾の声に俺は応える。拳吾の表情が僅かだが明るくなった。
「夕飯の残りだけど良かったら摘んでくれよ」
「うん」
俺の声に拳吾が応える。拳吾が牛肉の角煮を口にした。
「美味ぇ。肉柔らけぇ。料理も上手いんだな」
「ありがとう。喜んで貰えて嬉しいよ」
拳吾の声に俺は応える。拳吾の目が細くなっていた。
「あのなぁこの前の事だけどOKだよ。女は懲りたし、覚悟してきた」
「そうかぁ。分った」
拳吾の声に俺は応える。拳吾を真っ直ぐに見た。
「キスしていいか」
俺が声を上げる。拳吾が頷いた。抱き寄せる。唇を寄せていく。唇同士が静かに触れ合った。舌を挿れる。俺達は舌を絡め合う。キスしながら拳吾の股間を握る。微かだが反応した。唇が離れる。拳吾に視線をぶつけた。
「寝室行くか」
「うん」
俺の声に拳吾が応える。拳吾の表情が明らかに変わっていた。これから始る淫儀。考えると心が昂揚してきた。

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[ 2018/11/02 20:49 ] 切子の家 | TB(-) | CM(0)

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