渉から呼び出された。今、俺達はカフェでテーブルを挟み向かい合って座っている。ほろ苦い珈琲を啜った。
「そろそろ同棲しないか?」
「えっしたいけど……」
渉の問いに俺が曖昧に答える。俺には即答出来ない理由があった。
「実家の事だろ。実は来月隣が空くんだ。お母さん達そこに住めば良いだろ。資金不足なら俺も協力するぜ」
渉が言い切る。俺は早速母さんにLineした。5分程経過する。母さんからメッセが返ってきた。
「一度会いたいってさ」
「分かった。俺達の事も報告しねぇとな」
俺の声に渉が応える。渉は穏和な笑顔を浮かべてた。既に渉を家族に紹介している。勿論仕事関係の人としてだけど……渉を実兄のように慕っている永悟。渉兄ぃと呼んでいる。母さんは俺がお世話になってるのも、知ってるし何より岩谷 渉 の大ファンだ。夕闇に包まれる。俺達は渉のマンション1階にある、渉推奨のスペインバルに向かった。スペインの風と太陽を感じる店内に入る。ギャルソンが爽やかな笑顔を送ってきた。
「岩谷の名前で予約してると思うのですが……」
「伊東様ですよね。お待ちしておりました」
俺の声にギャルソンが応える。渉は既に着ていた。
「お久しぶりです。今日はご招待頂きありがとうございます」
「とんでもないです」
母さんの声に渉が応える。俺達は席に着いた。ワインが運ばれてくる。ギャルソンがグラスに注いでくれた。ルビーのような液体に感銘を受ける。俺達はグラスを胸の高さ迄上げた。
「乾杯!」
渉が声を上げる。俺達は頷いた。次々に料理が運ばれてくる。俺達は堪能した。母さんと永悟は初めてのスペイン料理。目が細くなっている。食後の珈琲が運ばれてきた。
「お話があるんです。転居も考えてるって聞きましたが……」
「そうですね。うちも大分老朽化してますからね」
渉の声に母さんが応える。俺が下話してたせいか母さんの声は弾んで聞こえた。
「俺んちの隣が売りに出るんでどうかなって思いまして……」
渉が声にする。母さんが真剣な表情を浮かべていた。
「セキュリティもしっかりしてるし、設備も良いですよ。間取りは俺んちと同じです。まだ居住してるので内見は俺んち見て貰うしかできないですが……」
「じゃあご迷惑でなければこれからでも見たいです」
渉の声に母さんが応える。母さんが柔和な笑顔を浮かべてた。
「兄ちゃんそれだけじゃねぇよな」
永悟が声にする。耐えようにも耐えきれず母さんの笑みが口角に現れていた。
「良い仲なんでしょ。何時言ってくれるかと思ってたわ」
母さんが声にする。永悟が頷いた。俺は思惟する。2人は既に気付いていた。
「兄ちゃんには世話に成りっ放しなんだ。俺は大学に行かせてもらってるし、家計も楽になった。これからは兄ちゃんの人生を歩いて欲しいって母さんと話してたんだ。どうせ兄ちゃんは渉さんと一緒に住むんだろ。渉兄ぃ、兄ちゃんの事宜しくいお願いします」
永悟が言い切る。俺と渉が目を合わせると頷いた。俺達ニッと笑みを浮かべる。ほっこりとした気持ちに包まれた。
「そろそろ行きますか」
「ハイ、ごちそうさまでした」
渉の声に母さんと永悟の言葉が重なる。俺達は店を後にした。秋の夜風が頬を撫でてくる。俺達はマンションのエントランスに入った。オートロックを開錠する。エレベーターに乗りこんだ。渉のマンションはお洒落な3LDK。中はメゾネットタイプになっている。天井高でリビングは広い。お風呂とかエアコンはリモート操作ができる。隣接するキッチンはカウンター型。食洗と浄水器がビルトインされている。緩いスロープの階段を上がった。3つの居室がある。母さんも永悟も気に入ったようだ。早速翌日不動産屋に行く。俺達は手付を入れ仮契約を済ませる。購入条件は現状渡しとし、その分安くしてもらった。別件で依頼した伊東家の売却。上物の評価は多分0円。だが場所が良いので土地は高く売れるだろうと言われた。時が流れる。実家の買い手が見付かった。月は師走。街はイルミネーションが煌めいている。売却金が振り込まれた。本契約を済ませる。売却金で粗方は払えた。残金は俺がローンを組むと申し出る。だが母さんは拒絶。結局申込者は母さん保証人に俺と言う事で落ち着いた。リフォーム業者も決まる。渉の伝手で……実家は更地にする。マンションのリフォームが終わる迄はそのまま住んでもう良いど言う。年末近くに前住民が新居の戸建てに引越した。俺達は部屋を確認する。状態はかなり良かった。クロス貼り替え、洋間を仏間に変更。年明けから工事に掛かる。俺達と伊東家で初詣に行った。新春の光が眩しい。手水舎で口と手を浄める。祭殿で合掌した。渉、母さん、永悟。俺は家族円満を願った。今、俺と渉は髭坊主にしている。やっぱ男臭い。渉に目を遣る。その顔貌が更に好きになった。新年の仕事が始まる。朝の情報番組に招かれた。メインは料理談義。渉は既に家族にはカミングアウトしている。だがここで俺達の事を語った。勿論俺は承諾している。TV局には賛否両論のコメントが寄せられた。内容を確認する。かなりの数の応援コメントがあった。数日が経過する。リフォームが終わり、永悟と母さんが隣に越してきた。大きめのキッチンテーブルセットと大画面のTV。俺達はプレゼントした。引っ越し日に実家の解体工事が始まる。静かに見てた。母さんが涙してる。俺も辛くなった。俺達の思い出が詰まった実家が解体されていく。色んな事が蘇る。解体が終わった。太陽が天頂を過ぎる。俺達は帰路に就いた。思い出を心に刻みながら……始まった俺と渉の同棲生活。セミダブルのベッドをダブルに替えた。今日、細やかな宴が繰り広げられる。2つの祝いだ。渉が今迄紹介してきた店からデリバリーを取る。俺は様々な野菜総菜を母さんに手伝って貰い作った。渉の家族達も見える。テーブルには料理が並んだ。時刻は12時に迫っている。渉の家族達が訪れた。渉の父さんと電話で話した事はある。だが直接会うのは初めてだ。穏やかな表情をしている。渉を見れば想像出来た。
「席に着いてください」
渉が声にする。俺達はテーブルを囲んだ。グラスにビールを注ぎあう。渉が自分の父さんに目を遣った。
「伊東さん引越しおめでとう。渉に巧巳君おめでとう。乾杯」
渉の父さんが声にする。グラスがカチンカチンと触れ合った。
「美味しいわ。TVでは見たけど食べたのは初めて優しいお味ね」
渉の母さんが言葉を上げる。次々に俺は賞賛の声を貰った。みんなが席を移動し始める。母さん同士が仲良くなっていた。
渉の父さんが義姉さんに目配せしてる。義姉さんぐい呑みと酒を持ってきた。義姉さんが其々のぐい呑みに酒を注いで回る。渉の父さんが俺達に目をくれた。
「岩谷家と伊東家の親族硬めの盃だ。これからも宜しく、乾杯」
渉の父さんが声にする。俺達は酒を飲み干した。和やかな中宴が終わる。其々が帰路に就く。母さんと永悟も隣の自宅に戻った。今、俺達はソファーに並んで座り、まったりと過ごしてる。時折イチャ付いた。
「風呂入るか」
「うん」
渉の声に俺が応える。俺達は浴室へ向かった。俺達は着ている物を脱ぎ始める。渉の前袋が濡れていた。
褌を解き、中に入る。掛け湯をした。浴槽に並んで浸かる。抱き寄せられた。唇が寄ってくる。唇同士が静かに触れ合う。舌を挿れる。俺達は舌を絡め合う。キスしながらちんぽを握り合った。そこは既に硬くなっている。唇が離れた。
「そこ座れよ」
「うん」
渉の声に俺が応える。俺は風呂渕に掛けた。俺の肉竿が握られる。金玉を1個ずつしゃぶられた。本竿に舌が這ってくる。ジュルジュル舐め上げられた。
「あっあぁぁあぅ気持ちイイ」
俺が声を上げる。亀頭の括れを舌先で擽られた。金玉を軽く握られる。肉竿を咥えられた。渉の顔が前後に動く。舌が俺のに絡んでくる。ジュルッジュルッジュルッ昂った尺八音が鳴り響く。俺のちんぽが放たれた。
「俺も気持ち良くしてくれよ」
「うん」
渉の声に俺が応える。渉が立ち上がった。風呂渕に座る。俺はカラダを浴槽に沈めた。渉の金玉を握る。本竿をジュルジュル舐め上げた。オスの薫りが鼻腔に突き刺さる。俺は渉の逸物を咥えた。俺の顔が前後に動く。俺は口を窄める。渉の逸物に舌を絡めた。
「ん、あぁぁあぁイイぜ。堪まんねぇ」
渉が声を上げる。ジュボッジュボッジュボッ妖しい尺八音が鳴り響く。渉が俺の頭に手を乗せる。グイグイ手前に引かれた。喉奥に亀頭が打ち当たる。俺は自分のちんぽを扱き始めた。
「やべぇあっあぁぁ射く。あぁぁ射ぐ。あぁあぅあっ射くっ」
渉が射き声を上げる。俺の口の中に渉の汁が広がった。俺の口から渉のちんぽが放たれる。俺の喉がゴクンと鳴った。濃厚な汁が喉を通る。体内へ流れていく。渉の汁を呑みながら俺はちんぽを扱き捲る。渉を見上げた。渉は口を薄く開いてる。俺は立ち上がった。渉が俺の本竿に喰らい付く。俺はちんぽを突き挿れた。
「あっあぁぁ射ぐ。あぁぁあっ射く。あぁあっあぁ射ぐっ」
俺が射き声を上げる。俺は渉の口の中で弾けた。渉の口からちんぽを引き抜く。渉の喉がゴクンと鳴る。唇を合わせた。舌を挿れる。俺達は舌を絡め合う。残り汁が口の中で融合される。唇が離れた。
「美味かったぜ」
「俺もっす」
渉の声に俺が応える。俺達は浴槽を出た。カラダを洗い合う。俺達は浴室を後にした。バスタオルでお湯を拭う。
褌を締める。
着衣を整えた。
「小腹空いたな」
「何か用意するよ」
渉の声に俺が応える。大皿に料理を盛った。キッチンを出る。ローテーブルに置いた。渉の隣に座る。バーボンの水割りを2つ作り1つを渉に渡した。
「宜しくな」
「俺の方こそ宜しくっす」
渉の声に俺が応える。グラスがカチンと触れ合った。俺達は今後の事を語り合う。時間ゆっくり流れる。渉の手が俺の股間に置かれた。
「行くか?」
「うん」
渉の問いに俺が答える。俺達は立ち上がり、階段を上り始めた。
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