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おやっさんと兄ぃ達④

 次の日曜空は澄み渡っている。
空 (11)
俺は引っ越した。引越しと言っても殆ど荷物はない。家電家具は不要だから殆ど処分した。本、DVD、ゲーム機。それに衣類だけだ。段ボール箱5個の引っ越し。おやっさんの車で運んで貰った。
「ここ使っていいからな」
「うん」
クローゼットに衣類を収納する。俺の引越しは終わった。早春の午後の淡い陽射しが差し込んでいる。兄ぃ達からメールが着信していた。
”引っ越しおめでとう。初夜だけど程ほどにな”
 おやっさんと俺の新しい生活が始まる。剃られた陰毛が少しずつ生えてきた。2人の陰毛が一緒に成長する。見るたびに嬉しくなった。ほぼ毎日一緒に出勤して一緒に帰ってくる。ベランダには俺とおやっさんのが仲良く風に靡いた。仲良く風に吹かれ触れ合っている。おやっさんのにアイロン掛けてると幸せを感じた。そんなある日、仕事でへまする。おやっさんに叱られた。家帰ってもしゅんとしている。おやっさんがキスしてくれると元気になった。好きな人と同じ屋根の下に住んで同じ空気を吸える。細やかな事かも知れないけど俺は歓びに心を揺さぶられた。
 明日は大安吉日、俺とおやっさんは休みを貰った。養子縁組の手続きをする為に……俺はおやっさんの正式な息子になる。考えるだけで嬉しくなった。施設で育った俺。そんな俺に家族が出来るのだから……
今一戦を交じ終えベッドで抱き合っている。おやっさんが視線をぶつけてきた。
「雄基、いよいよ明日だな」
「うん、ちょびっと緊張してる」
抱き寄せられた。
おやっさんのちんぽを軽く握った。さっきまで俺の中で暴れていたちんぽ。握ってたら何か落ち着いてきた。
「おやっさんおやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
翌朝食事を摂るとおやっさんと車で役所に向った。今手続きをしている。ドキドキ感を覚えた。思わずおやっさんの手を握っている。温もりを感じた。本当に俺おやっさんの子供になる。涙が溢れそうになった。
「終わったな。正式に俺の息子だぜ」
「うん、凄く嬉しいっす」
「次行くぜ」
「うん」
俺達を乗せた車が転がり始めた。運転するのは俺、おやっさんが助手席に座っている。向ったのはとある彫金工房。1日一組だけマリッジリング作成コースをやっていると言う。途中カレー専門店に入る。俺はビーフカレーおやっさんは野菜カレーを頼んだ。ひと口食べる。濃厚なカレーソースが口に広がった。また車が動き始める。時刻は1時に迫っていた。ウインカーを点ける。車が工房の駐車場に滑り込んだ
「予約していた河上ですが……」
「お待ちしておりました。どうぞお入りください。担当させて頂く小川です」
対応してくれたのは30歳位の厳つい兄ちゃんだった。男同士なのに怪訝そうな表情も浮かべていない。厳つい中にも柔和な笑顔を浮かべていた。ちょびっと安堵する。作業場に通された。エプロンを掛ける。俺達が選んだのはイエローゴールドのリングだ。真剣に作業方法を教わる。おやっさんの目がマジになっていた。多分俺もそんな目をしていたと思う。3時間程経過する。マリッジリングが完成した。仄かな喜びが湧いてくる。刻印はYou're everything(おまえがすべて)と刻んだ。
「お幸せに……」
「ありがとうございます」
小川さんの言葉におやっさんが応えた。頬が少し赤らんでいる。俺も顔が熱くなってきた。工房を出る。振り向くと深々と頭を下げた。俺達を乗せた車が動き始める。家路に就いた。入籍にマリッジリング。チョッと前の俺だったら考えられないことだと思う。ありがとうおやっさん。心の中で呟いた。この気持ちを何かで伝えたい。俺に何が出来る。自分に問うてみた。料理を覚え、仕事も頑張る。他にも色々ある筈だ。少しでもおやっさんの負担が少なくなるようにしたい。俺は強く思った。
 翌日、仕事が終わる。窓からは月光が仄かに差していた。
「ちょっと集まってくれ」
おやっさんが声を張り上げる。俺達はミーティングルームに入った。テーブルの上には酒と盃が置かれている。みんなが席に着いた。俺はおやっさんの隣に座る。おやっさんがみんなを見渡していた。
「みんなに報告がある」
おやっさんが声を上げる。みんなの視線が集まってきた。
「昨日相良雄基は河上雄基になった。養子縁組したんだよ。まあ結婚ということだ」
兄ぃ達が顔を見合わせてる。驚愕の表情を浮かべていた。
「これから儀式を行ないたい。みんなには立会人になって欲しいんだ」
兄ぃ達の首が縦に振られる。みんな暖かい目をしていた。俺とおやっさんが結婚証明書に署名する。立会人欄には彬兄ぃと要兄ぃが署名した。おやっさんと視線が交差する。おやっさんがリングケースを鞄から取り出した。俺の左手が取られる。薬指にリングを嵌められた。強烈な悦びを覚える。僅かな間俺は放心していた。
「雄基、俺にも嵌めてくれ」
「あっハイ……」
俺はおやっさんの左手を取る。震える手でおやっさんの薬指にリングを嵌めた。
「雄基、これからも宜しくな」
「ハイ、おやっさん」
抱き寄せられる。軽く唇を合わせた。
「おめでとう」
彬兄ぃが声を上げるとパチッパチッと手を叩き始めた。拍手の渦が湧き起こる。その音がとても穏やかに聞えた。
「タカ兄ぃ。もう完璧にこっちの人間っすね。雄基と付き合い始めた時もビックリしたけど、同棲に今度は結婚すもんね」
「まあな」
彬兄ぃの言葉におやっさんが応える。おやっさんば憲太兄ぃに目を遣った。
「憲太、酒注いでくれ」
おやっさんの声に憲太兄ぃが酒を注ぎ、みんなに渡していた。
「みんな俺と雄基の家族だからな。これからも宜しくな」
俺達は酒を飲み干した。
「雄基、おめでとう。幸せにして貰えよ。でも良く思い切ったな。親御さんは反対しなかったのか」
彬兄ぃが声にする。俺は立ち上がった。
「おっ俺、兄ぃ達には言ってなかったけど親も兄弟もいねぇんだ。施設で育ったから……だから今凄く嬉しいっす。家族出きたんすから」
涙が込み上げてくる。一滴頬を伝った。おやっさんに抱き寄せられる。そっと涙を拭って呉れた。
「みんなに食べて貰うもの有るんだろ」
「うん」
おやっさんに言葉に俺は応える。大きな箱を持ってきた。
「俺みんなに食べて貰おうと思ってケーキ作ってきました。おやっさんにも手伝って貰ったけど……」
にんまりしながら声にした。
「殆ど雄基が作ったんだぜ」
おやっさんが言い放った。
「ジャーンちんぽケーキっす」
にやけながらながら俺は声にした。淡いピンクの台に裏筋を上向きにした3本の勃起ちんぽが聳えてる。先端がくっ付き合い、オブジェのようにそそり立っていた。
「結構リアルだぜ。先っぽ汁で濡れてるみてぇだ」
要兄ぃが声にする。目が淫猥に光っていた。
「凄ぇ、金玉の縫い目もあるぜ」
慎治兄ぃが驚いたように言った。
「おい見てみろ。亀頭の割れ目もしっかりあるぜ」
憲太兄ぃが口にする。目を見開いていた。
「雄基お前凄ぇな。良く頑張った」
彬兄ぃが声にする。その音色はやけに優しく耳に響いた。みんながスマホを取出し写真を撮っている。今度はケーキの横に立つと交代で写真を撮っていた。
「じゃぁ切るっすよ」
ケーキにナイフを入れた。
「痛そう」
慎治兄ぃが声にする。顔を少ししかめていた。
「あっやべぇ、マジ痛そう」
憲太兄ぃがチョッとおどけて言葉にした。
「んがっ、い、痛てぇ」
要兄ぃが股間を押さえながら声にする。それを見ておやっさんと彬兄ぃが笑っていた。俺は皿に取り分ける。みんなに配った。ちょびっとドキドキしてくる。初めて作ったケーキ。見た目は喜んでくれた。だけど味は……
「美味ぇ」
彬兄ぃが声にする。顔が綻んでいた。
「クリームもスポンジも最高だぜ」
慎治兄ぃが言った。
「金玉にはたっぷりオス汁入ってるすよ」
俺が言葉にした。
「あっ本当だ。オス汁みてぇだトロッとして美味ぇ、金玉袋シュークリームで出来てんだな」
憲太兄ぃが視線をぶつけてくる。感嘆深げな表情を浮かべていた。
「うんシュークリームの上からクリームでコーティングしたんすよ」
「雄基美味ぇぜ。ちんぽケーキ最高だ」
要兄ぃが言葉にした。
「雄基良かったなみんな喜んでくれたぜ」
おやっさんが優しく声にする。味も外観もみんなが喜んで呉れた。大きな嬉しさに包まれる。心が綻んだ。時が微かに流れる。慎治兄ぃが缶ビールを持ってきた。みんなに渡している。プルトップが開けられた。
「タカ兄ぃと雄基の結婚とちんぽケーキに乾杯」
「おぉ~」
慎治兄ぃの言葉に6人の声が轟く。缶ビールを高々と上げられた。
「豪と一哉も呼んで何処かで披露宴しようぜ。タカ兄ぃのおごりで……」
「えっ俺のおごりかよ。まぁいいか。酒房・浩悟に行こうぜ。あそこなら食事も出来るからな」
彬兄ぃの言葉におやっさんが応える。柔和な笑顔を浮かべていた。俺とおやっさんの結婚。酒房・浩悟で多くの人に祝って貰った。今家の玄関の前に居る。おやっさんに小さな紙袋を渡された。
「これに付け替えてくれ」
「えっ……」
紙袋を開ける。河上 尊仁 雄基と2段になった表札が入っていた。
「おやっさん」
「うん」
悦びが込上げてくる。今俺は河上雄基。その実感が沸いてきた。

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[ 2016/03/13 12:04 ] おやっさんと兄ぃ達 | TB(-) | CM(0)

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